日本型雇用は今後、どのように変化していくのか。そのキーワードが「接ぎ木」。未経験社員が底上げをする時期は日本型、底上げが終わると欧米型を接ぎ木し、「トップエクステンション」と「WLB充実な限定職」に分化する。そして社員には「階段を下りる」選択肢も提示する。

(写真:123RF)

 いよいよ連載も終わりに近づいてきました。ここまで以下について話をしてきました。

・日本と欧米の雇用・人事システムの違い
・雇用システムが生み出す社会問題の違い
・キャリアの形と採用
・キャリアの形と育成

 その根本にあるのは、「流行りもののモノマネ」では人事も雇用も動かすことはできないという大原則です。

 欧米との根本的な相違、国内においてもキャリア類型の相違、こうしたことを知り、そのうえで、自社に合った仕組みを導入しない限り、制度は歪みを起こすということ。根本的な原理を知れば、表面上の流行り廃りに惑わされることもなくなり、ロジカルに「だからわが社はこうすべき」と説明ができるでしょう。

 では日本型雇用は今後、どのように変化していくのでしょうか? 私は以下のように考えています。

① キャリアの初期=未経験社員が底上げ(ボトムアップ)していく時期は、日本型雇用システムが総体としては合っている(ただし、新卒無業問題など、個別には修正すべき点はあります)

② キャリアの中期=底上げが終わり、伸びる人と伸びない人の差が大きくつく時期には、欧米型雇用システムで、「トップエクステンション」と「ワークライフバランス(WLB)充実な限定職」とに分化した方が、個人の生活設計的にも、企業の人事管理的にも好適

③ キャリアの途中で、日本型雇用から欧米型雇用へと「接ぎ木」する仕組みが必要となる

④「 接ぎ木」の時期は、キャリア類型のTypeAとTypeBにより大きく異なる。専門知識や経験が重要なTypeA群は、10~15年の日本型を経て欧米型に、2~ 3年で習熟してその後は個人能力に任せるTypeB群は、3~5年目に接ぎ木をするということになる

 図にすると、下記のような感じでしょう。

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