会計の観点から人事部の活動の説明づけが可能に

 人事部など人的資本の情報開示に関わるビジネスパーソンは、インパクト加重会計をどう捉えるとよいだろうか。五十嵐氏は、「インパクト加重会計は、人事部の活動を定量化し、説明づけることを可能にする」と述べる。

 先にも少し触れたが、人事部は間接部門であり、これまで経営上は直接的な利益を生み出さないコストセンターと見なされてきた。また、例えば従業員の健康増進策を展開したとしても、それをどう評価するのかは業務の性質上、定性的にとらえられることが多く人の感覚に頼るところも少なくない。その結果、社員の体感としては効果が明らかな施策であっても、経営環境の変化を受けて「コスト削減」のために下火になる、というケースもまま見られる。

 インパクト加重会計が普及すれば、人事部による人的資本の価値を高めるための施策が、会計上の利益としてプラスに出る、あるいはペナルティの幅を減らす、といった形で評価される可能性が高まると言える。このインパクト加重会計が日本および世界でどう受け入れられていくのか、注視し続ける価値はありそうだ。