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 コロナ禍によって、「地方で働くこと」に注目が集まっている。産業界でリモートワークやワーケーションが定着しつつある中、地方で働くことを企業も個人も受け入れる素地が出来上がりつつある。

 EY Japanグループは従業員の地方への移住を支援する「EYフレリモ移住プログラム」を展開中だ。同社の経営戦略の一環として2020年秋から試験的に実施しているもの。多様な働き方を支援することで従業員の満足度を高め、企業として、ひいては顧客企業や市場・社会全体への提供価値を総合的に高めるのが狙い。

 このプログラムで想定している従業員のニーズは複数あるが、一つは家庭と仕事の両立支援である。例えば遠方に住む親の介護の必要性が出てきた場合にも、会社を辞めずにキャリア形成を進めることが可能になる。

 もう一つは従業員のワークアンドライフバランスの促進が狙えること。例えば自然豊かな地方に移り住み、家庭、地域との交流、趣味を充実させることにより、従業員の総合的なパフォーマンスの向上が狙える。事業のアイデア創発やキャリア形成に新たな視点を得ることも可能になる。2021年8月現在、約30人の従業員が同プログラムの認定を受け、移住先で業務に従事している。

 EY Japanの移住プログラムの実施状況を見ながら、移住という選択肢が従業員のウェルビーイング(より良い)な人生にどのような可能性を提供しうるのか、その可能性を探る。