人的資本経営や人的資本の情報開示に携わる担当者にぜひ参考にしてほしいのが、2021年3月に公開されたドイツ銀行の最新HRリポート「Human Resources Report 2020」だ。ISO30414に準拠した同リポートを、3回にわたって詳説する。2回目となる今回は3章から6章までをレビューする。

(写真:123RF)
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 今回は前回に引き続き、ドイツ銀行の最新HRリポートの第3章から第6章までのポイントを報告する。

 第3章のテーマは「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」だ。この章は「ダイバーシティ&インクルージョンを活動の中心に捉える方法」「ダイバーシティ&インクルージョンを推進する方法」「パートナーとの連携」という3つのブロックから成る。

 1つ目のブロックでは、ドイツ銀行の現状とポリシーを説明する。ダイバーシティ&インクルージョンは単なる人事を超えた、ESG戦略および人権擁護活動の一環であると位置づけ、重要性を強調している。

 2つ目のブロックでは、その運営方法について最高リスク責任者(CRO)のスチュワート・ルイス氏が顔写真入りで解説。ここでは、女性の登用について特に紙面を割いて詳しく述べている。

 「現在、監査役会に6人の女性がおり、これは上場企業および共同企業の法定要件である30%を満たしている。取締役会は2022年6月30日までに少なくとも20%の女性を含める計画であり、メンバーが8~12人であることを考えると、この目標の達成にはあと2人の女性が必要になる」と、具体的な数字を交えての説明が続く。

 従業員の国籍については、世界59カ国、151の国籍(2019年は140、2018年は146)を持つ従業員を擁する。人種や民族の多様性に対する同社のポリシーを説明するとともにLGBTQIに対する同社の考えを述べ、従業員の年齢分布などを紹介している。

 3つ目のブロックでは、同社プレジデントのカール・フォン・ロア氏が、これもまた写真入りで登場し、ダイバーシティ&インクルージョンに関する同社のグローバルな取り組みを解説。様々なバックグラウンドを持つ従業員の集まりである従業員リソースグループ(ERG)の重要性を説く。ERGを中心にイベントやメンターシップ、学習と能力開発、ディスカッションやコミュニティーを運営する。より良い職場を作るという共通の目的に向かって機能しているという。

 この章には、本リポートでよく使われている解説パターン(3つのブロック)が分かりやすく表れている。

 まず、章の冒頭で会社のポリシーやコンセプトを語り、次にそれを裏付ける数字や取り組みなどの具体的な説明が来る。最後に、今後の取り組みや目標を述べて章を終える。この語り口が、リポート全体を通じて一つのパターンになっていることは指摘しておきたい。

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