コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)が改定され、企業の取締役会の役割に注目が集まるなか、投資家からスキルマトリックス開示への関心が高まっている。

 「毎年、株主総会前や年末に投資家との対話を行う際に、当社の業績や企業文化を聞かれるが、最も関心を寄せられるのが取締役会の機能や進め方だ」と語るのは、ニトリホールディングス法務室ガバナンスチームマネジャーの奥田理氏だ。同社の社外取締役には、オリックスシニアチェアマンの宮内義彦氏や元東レ会長の榊原定征氏など著名な財界人も多い。こうした社外取締役も含め、取締役のスキルや得意分野をどう表現するかが同社の課題だった。

 「取締役会のスキルマトリックスを明文化している企業は、昨年時点で数十社ほどだった。今年6月のコーポレートガバナンス・コード改定にあたり、事前に情報収集した改定案で、スキルマトリックス開示を推奨する旨が記載されると分かり、当社は率先して準備しようと考えた」と奥田氏は、スキルマトリックス作成の経緯を振り返る。

奥田 理 氏
奥田 理 氏
ニトリホールディングス 法務室ガバナンスチームマネジャー(撮影:菊池くらげ)

 2021年初からスキルマトリックスの項目作成に着手し、4月に株主総会招集通知に記載した。「スキルの項目立ては日産自動車など他社事例を参考にしながら法務室で作成し、全取締役に確認する形で進めた。一般的な項目が何か押さえたうえで、当社らしさを表現するための工夫をした」(奥田氏)