テレワークだからこそ仕事を可視化

 生産部門や一部の営業部門など、医療現場に必要な製品・情報を届けるために出勤が必要な部署は、徹底した対策を施したうえで出勤を続ける。テレワークが可能な部署では、コロナ感染症への対応が必要な期間は、テレワークを中心にオフィスへの出勤を組み合わせる。コロナ収束後は、社員の「自律」をキーワードに最適な働き方を模索するが、結果として、完全に元に戻ることはなく、テレワークと出勤を最適な割合で組み合わせることになるだろう。

 国内勤務の社員約5000人のうち1500人がテレワーク中心でも業務可能な部署で働いている。9月末の本社地区の出勤率は25%。緊急事態宣言期間中は5%まで下がったが宣言解除後は20~30%で推移している。

 △にしたのは、コロナが完全に収束すると、出勤中心に戻ってしまう可能性があるからだ。私自身はグローバルでやり取りする業務が多く、早朝や深夜の会議が多いので、在宅勤務が半分くらいあるのがちょうどいいと感じているが、中途入社した人の受け入れ研修に苦労しているといった課題も顕在化している。新卒社員のオンライン研修はうまくいったが、やはり製品に触れる機会が少なく、工場見学できないためにものづくりのプロセスが把握しづらい弊害が散見されるようになってきた。

 コロナ収束後については、出勤日が週4日、週2~3日、週1回以下という3つのパターンから、働き方を選べるようにするといった案を議論している。職種や部署ごとに決めるという考え方もあるが、各人が自律的に選ぶのが理想だ。チームで話し合い、子育てや介護など個人の事情や、「早朝にオンライン会議がある曜日は在宅」「部署の会議がある日は出勤」など、業務内容を鑑みながら、どういう働き方が一番いいのか考えてほしい。

 テレワークが多くなると部下の働き方が見えず、上司が部下の仕事を評価しにくくなるという意見も聞くが、マネジャーの力量次第だろう。コロナ前から使っていた在宅勤務の申請書に、仕事内容の記入欄があったが、多くのマネジャーがこれをうまく使って、毎朝仕事内容のリストとそれぞれにかける時間を記入させ、業務終了時には実際にかかった時間を報告させることを習慣づけていた。

 人事部門のある部長が、このデータを毎月集計し、それを基に部下と面談をしていた。仕事の内容が可視化されるので「先月より仕事が早くなったね」「この仕事に時間がかかりすぎるのでもっと効率化できない?」といったフィードバックもできるようになった。自身も在宅勤務時には上司である私に同じ書面を送り、部下にccを入れて自分の働き方を可視化していた。こうした動き方ができるマネジャーは結構多いのではないかと見ている。当社では来年人事制度を刷新する予定だが、頻繁なフィードバックをルール化する予定だ。