緊急事態宣言が延長され、テレワーク中心の生活が続く中、労務管理上の問題も変化しつつある。テレワーク導入当初は「サボリ」が危惧されていたが、最近は仕事とプライベートを切り分けられず、「働きすぎ」る懸念が深刻化している。

(写真:123RF)

 新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるために政府が2回目の緊急事態宣言を出してから1カ月が過ぎた。緊急事態宣言は3月までの1カ月延長が決まり、ビジネスパーソンは引き続きテレワークを中心の生活が求められている。そんなビジネスパーソンの間で、仕事とプライベートの切り替えができずに悩む人が増えつつある。企業は従業員の心身についてもケアする必要がありそうだ。

 2020年4月に1回目の緊急事態宣言が出された直後、テレワークを導入した企業にとっての課題は、どちらかというと従業員の勤怠管理、つまりはサボり対策が中心だった。日経BP総合研究所イノベーションICTラボが書籍「テレワーク大全」の発行に向けて実施した調査の自由意見にも、次のような意見が寄せられた。

 「社員がサボっている気がしてならない」(ある企業の役員)、「部下がテレワーク移行3日目にして音信不通になった」(建設会社の課長クラス)。

 新型コロナの流行前は多くの社員が職場で働いていたため、上司は部下の働きぶりを目で見て把握できた。今となっては遠い昔のようだが、1年前まではこれが日本企業の働き方の常識だった。

 そんな常識が崩れた。緊急措置として企業がテレワークの導入に踏み切った結果、IT環境やシステム面はもちろん、人事などの制度面にも一部にひずみが生じているのが現状だ。

 ひずみを解消しようと、日本企業が動き出している。働いた時間ではなく役割や仕事の結果に基づいて処遇する「ジョブ型」の人事制度導入が代表例だ。企業の使命は利益などの成果を出すことであり、成果を最大化するためには様々な制度を変化に追随させていく取り組みが欠かせない。