2021年11月25日にオンラインで開催された「ピープルアナリティクス・カンファレンス2021」(主催・日経BP 総合研究所、協力・ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会)のパネルディスカッションに、三菱ケミカルとNECでデータにアナリティクスを活用した人事に取り組む現場担当者が登壇。データに基づいたマーケティング視点の人事戦略を議論した。モデレーターは、Human Capital Online編集長の原田かおりが務めた。(取材・文=吉川 和宏)

エンゲージメントサーベイの分析結果から課題解決策を立案

 三菱ケミカルは、データドリブンなHRを目指して、(1)データ分析環境の整備・構築、(2)データの収集と可視化、(3)データの分析、(4)データの予測、(5)データドリブンな人事へ――という5段階でピープルアナリティクスに取り組んでいる。現在は(3)のフェーズにあるという。最近では、エンゲージメントサーベイの分析によってパフォーマンス向上のためのキードライバーを洗い出している。同社の大村大輔氏は「第5フェーズでは、従業員自らがデータを利活用して自律的に行動し、イキイキと働けるような環境を実現したい」と語る。

大村 大輔 氏
大村 大輔 氏
三菱ケミカル 総務人事本部 労制人事部 ピープルアナリティクス担当(2021年11月当時)

 一方のNECは、中期経営計画において、2020年度に25%だったエンゲージメントスコアを2025年度には50%に引き上げるという目標を掲げている。同社の中村亮一氏によると「エンゲージサーベイを分析した結果、エンゲージメントを向上させるためには権限委譲と自律性向上が必要なことが分かった」という。そこで、同社のAI技術群「NEC the WISE」の一つである「因果分析ソリューション(Causal Analysis)」を駆使して、全社の行動基準である「Code of Values」から33の行動要素を抽出。これを活用して、部下の個人裁量権につながる要因を導き出した。

中村 亮一 氏
中村 亮一 氏
NEC 人材組織開発部 タレント・アクイジション&ピープルアナリティクス エキスパート