社内のデータサイエンティストを巻き込む

入江:人事部門には文系の方が多いと思うのですが、最初からうまくいったのでしょうか。

堀口有吾氏(以下、堀口):2018年度の「人材の見える化プロジェクト」が最初の取り組みでした。本社人事と部門人事、人事オペレーションチームという人事部門横断のプロジェクトです。組織横断のメンバーで課題意識や知見を持ち寄り、プロジェクトを進めました。ただし正直なところ、人事部門だけでの取り組みだったため、データ分析につまずき、うまくいかないケースも少なくありませんでした。

 そこで、2019年度からは社内のデータサイエンティストを巻き込みました。人事部門各部署から募集したメンバー約10人が、データサイエンティストのアドバイスのもと、各部署における人事業務の課題を分析するワーキンググループ(WG)へと発展させました。データ分析のアプローチや結果解釈についてのアドバイスをもらえることで、データ分析で大きな成果を上げられるようになりました。半期ごとのWGとしており、これまでに2019年度と2020年度の上期・下期の合計4回、組織横断で実施しています。

富士通 Employee Success本部 Engagement & Growth 統括部 組織開発部 堀口 有吾 氏
富士通 Employee Success本部 Engagement & Growth 統括部 組織開発部 堀口 有吾 氏

佐竹:こうしたプロジェクトを通して分かったことは、人事本来の役割である意識・風土改革を実現するためには、データを活用することが極めて重要だということです。もともと想定していたファクトの説得力に加えて、データ分析を考えることで、業務の本質を見つめ直す良い機会にもなります。そして、データの分析・活用で大きな成果を上げるためには、データサイエンティストは人事業務に対するリテラシーを、人事部門は統計学のリテラシーをそれぞれ高めることが大切なことです。お互いのリテラシーの重なり部分が大きいほど、成果も大きくなります。