チームワークが成功のキーファクターに

林: 産業医である野﨑さんは、ピープルアナリティクスにどのような形で関わってらっしゃるのでしょう。

野﨑氏(以下、敬称略): 産業医としての業務だけでなく、人事部門の中に入って人材マネジメント、例えば健康経営にも携わっています。産業医の仕事というと、一般的には医療の面のマイナスをゼロに戻すことだと認識されている方が多いかもしれませんが、ビジネス上でプラスに作用するような取り組みを人事の人たちと一緒にやっています。ピープルアナリティクスの分析で活用するための項目づくりなども手伝っています。

三菱ケミカル 人事部 健康支援グループ 産業医 野﨑 卓朗 氏(撮影:川田 雅宏)

林: 御社がピープルアナリティクスで大きな成果を上げている秘訣の1つに、それぞれの役割が繋がり合うチームワークにあるのかもしれませんね。縦割りになりがちな大手企業の中では、なかなかできるものではないと思います。ITの専門家の主導で進めると膨大なデータを収集したものの、これを活用できないというようなケースも少なくありません。データサイエンティスト、ビジネスと人事の専門家、そして産業医のチームワークが、成功のキーファクターになっていると感じました。

大村: 私はテクニカルなところは分かるのですが、データ分析で成果を上げるためにビジネスやマネジメント、医療の面で分からないことも少なくありません。そうしたときに、鎌田や野﨑の助言を仰ぎます。彼らを含めて、人事部内でお互いに協力していこうという風土がないとうまくいかないと考えています。幸いにも、当社人事のメンバーはピープルアナリティクスに前向きで協力的です。

鎌田: 実際、人事部門内でピープルアナリティクスに対する理解が深まってきています。「こんな分析ができるんだ」と感心する人も多く、ピープルアナリティクスの効果に対する認識が浸透してきています。