何を基準にするか? 数あるガイドラインで有望なISO30414

 それでは企業は、人的資本の情報開示をどのように行えばいいのか。SECが例示する開示内容は「人材の誘致、育成、維持」であるが、具体的には企業の自主性に任せられている。

 情報開示に関して、企業が利用できるガイドラインはいくつか存在する。国際標準化機構(ISO)の国際規格「ISO30414」、GRI(グローバル・レポーティング・イニシアティブ:サステナビリティに関する国際基準策定を行う非営利団体)の基準、米国サステナビリティ会計基準審議会(SASB)の業界基準などだ。中でも、国際スタンダードとして注目を浴びているのがISO30414である。

人的資本の情報開示、国際規格ISO30414がガイドラインに

 ISO30414は開示情報に盛り込むべき11領域を提示している。コンプライアンスと倫理、コスト、ダイバーシティ、リーダーシップ、組織文化、組織の健康・安全・福祉、生産性、採用・異動性・離職率、スキルと能力、後継者の育成、労働力の可用性だ。

 これだけでも広範囲にわたることが分かるが、指標の合計は49項目に及ぶ。当サイトでもこの詳細を紹介した。

ISO30414、人的資本の情報開示49項目を一挙に紹介

 国内でも、これら49項目の精査を始める企業が増えてきた。49項目のうちいくつかの指標を、2021年内に、自社の統合報告書に記載することを予定する企業もある。投資家との対話で、人的資本に関してCHO/CHROが直接説明を求められるシーンも見られるようになった。

投資家への説明責任も!? ISO30414の精査が人事担当者の急務に