2021年9月28日、日本経済新聞社と日経BP 総合研究所は「CHO Summit 2021 Autumn 個を活かし、輝く組織へ」(協力・Human Capital Online)をオンラインで開催。先進的な人材マネジメントを行っている企業のトップや最高人事責任者(CHO/CHRO)、有識者が集まり、最先端の人材戦略と取り組みについて語った。その中から、いち早くジョブ型雇用を導入した資生堂と日立製作所で人材マネジメントを先導する2人によるパネルディスカッション「ジョブ型雇用、制度改革の『5つの壁』をどう乗り越えたか」を振り返る。モデレーターは、日経BP 総合研究所 上席研究員 Human Capital Committee事務局長の大塚葉が務めた。(取材・文=加納 美紀、撮影=川田 雅宏)

グローバル展開では人材戦略が重要な役割を担う

 化粧品事業を軸に展開する資生堂は既に海外売上が全体の約67%を占めており、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」をめざす。「来年創業150周年を迎えるが、グローバル化やeコマースの台頭で厳しい競争にさらされている」と同社の中村実氏は解説する。

 2014年にCEO(最高経営責任者)に就任した魚谷雅彦氏は「変革の原動力は人」と考え、日本企業が受け入れやすい和洋折衷型のジョブ型雇用制度を構築。約1800人の管理職には2020年から、約3900人の総合職には2021年からジョブ型を導入している。ジョブグレードだけでなく賃金体系や評価制度、退職金制度などの見直しも含めて対応し、社員のキャリア形成にも結び付けていくという。

 1910年に5人で創業した日立製作所は、今や社員35万人、売上高8兆7000億円の巨大企業に成長した。「優れた技術・製品の開発を通じた社会貢献」を理念に掲げ、社会インフラをはじめとする様々な分野で製品やシステム、サービスをグローバルに提供する。「課題の深刻化やデジタル化など事業環境の変化に対応するために、自律的で多様な人財が国をまたいで働く必要がある」と同社の中畑英信氏は説明する。

 そこで2011年から、全世界の人事制度の共通化やグローバル共通の人材プラットフォームの導入を実施。本人の希望や能力、キャリア展望に沿った“適所適財”配置などジョブ型雇用を推進し、社会イノベーション事業のグローバル展開をめざしている。

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