新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の出現と拡大は、世の中が大きく様変わりする時代の節目を生み出しました。人々の働き方に関しても、今まで当たり前であったことが大きく見直される動きが出てきていることはご存じのとおりと思います。

 本連載は「新型コロナで変わるオフィス戦略」と題し、この節目にてオフィスにはどんな変化が起こりはじめているのか考察します。特に、三密を避けるオフィスレイアウトのような「感染症拡大防止を主旨とした変化」よりも、毎日全員物理的に出社するという今までの当たり前が問い直されて生まれうる「オフィスの構え方の本質的な変化」に着目し、様々なポイントを考察していきます。

 まず、緊急事態宣言発令から本原稿執筆時点(2020年9月)に至るまでに、実際に国内でニュースとなったオフィス移転やリニューアル事例をあらためて振り返ります。各々の事例は、必ずしも全てが主流にはならないかもしれません。しかし、今後のオフィスのあるべき姿が有識者より様々に提唱される中で、日本企業の動きを包括的に理解しておくことは重要です。オフィス構築の前提条件や環境が大きく揺らぎうる中、自社オフィスのあり方に迷われている方々にとって、いったんの頭の整理の一助になれば幸いです。

目次

前提:リモートワークの導入が本格化
変化(1)オフィスを郊外 / 地方に移転-仕事と暮らしの地理的な再構成へ
変化(2)オフィスをなくす-オンラインを主とした働き方へ
変化(3)オフィスを縮小-オフィス以外の様々な働く場との組み合わせへ
まとめと考察

前提:リモートワークの導入が本格化

コロナ禍をきっかけにリモートワーク経験社 / 経験者が増加(写真:123RF)

 緊急事態宣言下の暮らしを経て、多くの人があらためて自分事として感じたのは、「オフィスに必ず毎日行かずとも、仕事は成り立つかもしれない」ということではないでしょうか。この意識変化により、リモートワークが導入される流れは本格化していきそうです。たとえば下記のような事例は記憶に新しいところです。