カルビーが25日発表した「Calbee New Workstyle」。7月1日からオフィス勤務の約800人について在宅勤務などを含むモバイルワークを原則とし、出社を効率性の向上や直接の意思疎通が必要な場合などに限定する。(中略)7月以降は北海道に住みながら本社の管理部門に所属し、遠隔で業務を行うといったことも可能になる。

2020年6月27日付日本経済新聞電子版「コロナ禍、家族の形を再定義」から引用

 リモートワーク導入が進むと、社員は必ずしもオフィスに通いやすいところに住む必要はなく、日本全国が居住地候補となりえますし、実際に地方移住や多拠点居住といった暮らし方にも注目が集まってきています。

 こうなると、オフィスも今の大きさで今の場所に構える必要があるのか、という議論も生まれます。「オフィスの構え方」に実際に起こり始めている変化は、大きく3つに分類できそうです。以後、その3パターンを事例とともに紹介します。

変化(1)オフィスを郊外 / 地方に移転 – 仕事と暮らしの地理的な再構成へ

都市部一極集中からの脱却が進むか?(写真:123RF)

 1つ目は「オフィスを郊外 / 地方に移転する」という例です。社員がどこでも働けるのであればオフィスもどこにあっても良い、という考えのもと、賃料が安く自然豊かで、一極集中のリスクも低いエリアにオフィスを移転するという動きです。例えば下記のような事例です。

電子書籍などのコンテンツ事業を手掛けるスマートゲート(東京・豊島)は、福岡市にオフィスを移転または分散する検討を始めた。(中略)後藤康宏社長は「テレワークが浸透したことで、家賃が高い東京にオフィスを持つことに疑問を感じた」。

2020年6月26日付日本経済新聞電子版「東京→九州、広がる「コロナ移住」 オフィス移転も」から引用

 大規模な移転として、以下の発表もありました。

パソナグループは9月から段階的に、東京にある本社の主要機能を兵庫県の淡路島に移す。主要幹部は淡路島に常駐し、経営企画や人事などの本部機能の約1200人が対象になる見通し。

2020年8月31日付日本経済新聞電子版「パソナ、本社機能を淡路島に 東京集中の弊害回避」から引用

 このパターンでは、コスト削減や首都圏一極集中リスクの低減等が見込みうる効果である一方、社員の生活拠点の移動まで必要となるのか等の論点は今後注目したいところです。