(写真:123RF)

 連載第2回では、第1回で整理したコロナ禍を経たオフィス戦略変化の中から、「オフィスを縮小する」というパターンについて深掘りします。これは「全員常に出社しなくても良いのであれば、オフィス(ビル)は必要だがもっと小さくできる」という考え方です。この考え方自体はもはや目新しいものではなくなってきている一方で、現実的にオフィスはどのくらい縮小できるのか、その縮小分は全て在宅勤務で補うのが良いのか、得られる効果はコスト削減のみなのかというあたりは、まだこれといった正解が見えてない状況ではないでしょうか。

 従来のオフィス作りには、「必要なオフィス床面積=一人当たり床面積×社員数」という鉄板の方程式がありました。この方程式が意味をなさなくなっていく中、今回はオフィス縮小と分散という文脈にて「働く場のポートフォリオを組む」という新たな考え方を導入し、オフィス縮小の現実解に迫ってみます。

目次

・働く場を「ポートフォリオ」で考える
・働く場の4分類とポートフォリオの2軸
・ポートフォリオを組むメリット
・ポートフォリオのモデルケースとは
・まとめと考察

働く場を「ポートフォリオ」で考える

 ポートフォリオという言葉を聞くと、金融商品のポートフォリオを思い浮かべる方も少なくないと思います。特徴の異なる様々な金融商品がある中で、例えば新興国株式のようなハイリスク・ハイリターンな商品と、国内債券のようなローリスク・ローリターンな商品をうまく組み合わせることで、リスクを最小化し、リターンの期待値を最大化する、というのが金融商品でポートフォリオを組むという考え方でした。

[画像のクリックで拡大表示]
出所:筆者作成(以下図版全て同じ)

 この考え方を働く場にも適用し、特徴の異なる様々な働く場を企業が組み合わせて持つことで、オフィスコストを最小化しつつ、社員の働きやすさを最大化する、ということが働く場をポートフォリオで考えるということになります。

[画像のクリックで拡大表示]