働く場の4分類とポートフォリオの2軸

 ここで、ポートフォリオを組む対象となる働く場には、どんな場があるのかあらためて整理します。まずは「オフィスビル」、そして「社員の自宅」がありますね。これらに加えて、「カフェや喫茶店」などの街中のパブリックスペースは外回りの多い営業の方々などに以前から活用されてきた場所です。さらにここ数年で大きく台頭してきた「コワーキングスペース/シェアオフィス」があります。コロナ禍でのこういったシェアスペースのあり方については次回で触れたいと思いますが、働く場を4つに分類して、ポートフォリオを考えてみます。

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 次に、この4つの場を分類する2つの軸を考えてみます。1つは企業(社員)がその場を長期で固定的に利用するのか、必要な時のみ随時利用するのかという軸です。もう1つはその場が仕事向けにどれだけ特化されていて、費用がどのくらいかかるかという軸です。

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 この2軸でマトリクスをつくると、企業がそれなりの賃料を払って数年契約し、仕事をする場として設える「オフィスビル」は左上にプロットされます。「社員の自宅」は、働くことに特化した場ではないですが、長期的に存在し、企業からすると今のところ費用のかからない場となるため(今後在宅勤務手当のような費用が拡大するかもしれませんが)左下にプロットされます。

 一方で、「カフェ」や「コワーキングスペース」は必要な時のみ随時利用される場として、このマトリクスの右側にプロットされていきます。「カフェ」は社員の自宅同様に働くためだけの場ではなく、快適な席と環境がいつも得られるとは限らないものの、気軽に利用できる場として右下にプロットされます。「コワーキングスペース」は仕事向けに設えられた場を基本的には法人契約して使うことになるので右上にプロットされます。

 このマトリクスをベースにすると、働く場のポートフォリオを組むというのは次のようなイメージとなります。オフィスビルを小さく縮小した分、他の働く場を適切に組み合わせていくということです。

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 このポートフォリオを組むことで、企業にとってどんなメリットが得られるのでしょうか?ここでは「コストが下がる」「移動効率が上がる」「流動性が上がる」という3つのメリットを説明します。