コロナ禍を経て、「働く」ことは「通勤」を前提としなくなった。在宅で仕事ができるようになるのはもちろん、これまで出社できないゆえに働くことができなかった障がいを持つ人たちが働くことが可能になっている。遠隔操作によって人の「分身」として働くロボット「OriHime(オリヒメ)」の活躍から未来の働き方を考える。
2020年代を働き方黄金期にしようというこの連載。20年代も3年目に入りました。現時点では2020年代≒コロナ禍とも言えますが、みなさんの周りでは働き方はどう変わってきたでしょうか?
コロナ禍で在宅ワークを余儀なくされたことで、コミュニケーションがとりにくくなるなどのデメリットもある一方、移動時間や不要なおつきあいが減るといったメリットも生まれました。
さらに「働く」ことが「通勤」を前提としなくなったため、これまで働く機会に恵まれなかった人にも門戸が開かれるようになりました。例えば、様々な事情で「1日2~3時間だけならなら働ける」という人の場合、通勤は無理ですが、在宅であれば可能になります。私が役員として関与するアイデミーでも、そのような働き方のメンバーに戦力になっていただいています。
同様に移動そのものが負担になるような何らかの事情がある人も働く機会をより広げることができました。
「働く」ということについての世間一般の考え方が大きく変わったことは間違いないでしょう。
今回は「働く」ということの考え方に一つの新しい視点を与えてくれる、「分身ロボット」ついて考えてみたいと思います。この領域で注目されているロボット「OriHime(オリヒメ)」を開発・販売されているオリィ研究所(東京都中央区)の鈴木メイザさんにお話を伺います。