多くの企業が重要な経営課題と位置付けるDX(デジタルトランスフォーメーション)。慶応義塾大学とAIベンチャーのアイデミーは、経団連と産総研の協力を得て、その進捗を客観的に評価する「DX診断」に取り組んだ。調査の手法や調査結果から得られた知見を経団連DXタスクフォースの座長である損害保険ジャパン浦川取締役専務執行役員と、慶応義塾大学大学院佐藤特任助教に聞く。
「2020年代は働き方黄金期だ」と題して働き方に関連する様々なテーマに基づき、その道のプロフェッショナルと語る本連載、今回はズバリ「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を取り上げます。
コロナ禍で働き方に対する価値観は大きく変わりましたが、ワクチン接種などにより感染リスクが低減したら、働き方も元に戻ってしまうのではないかという懸念があります。今のステージにとどまり、さらにその先を目指すためのキーワードの1つとして、このDXを位置付けたいと考えています。
私が所属するアイデミーは慶応義塾大学とともに、経団連、産業技術研究所(産総研)の協力を得て、企業のDXの進捗を定量化する「DX診断」の共同研究に取り組みました。経団連会員に行ったアンケート結果をもとに、DX推進度合いを測る28の質問を定義しました。2021年4月にリリースしたウェブアプリケーション「DX簡易組織診断」でその質問に回答すると、結果をAIで解析して、他社と相対比較した自組織のDX推進レベルが分かります。
本日はこのプロジェクトのメンバーで慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特任助教の佐藤優介さんに、アカデミアの立場から共同研究の結果や考察をうかがいます。そして経団連DX タスクフォースの座長である損害保険ジャパン取締役専務執行役員の浦川伸一さんには、経営者としての実践を通じての示唆や、タスクフォース(TF)座長として調査研究の基となった経団連の提言の課題意識の観点からの意見をお聞きします。
私(河野)個人のキャリアでは、アクセンチュアで仕事の基本を学び、IBMでマネジメントやリーダーシップに関する考え方を学びました。偶然ですが今回のゲストのお二人はそれぞれアクセンチュアとIBMご出身です。そして別の場でも類似のテーマでお世話になっている方でもあります。
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