「スタートアップ」への投資熱が高まるなか、就職先の有力な選択肢にもなりつつある。新卒だけでなく、大企業でキャリアを積んだ人材にも、スタートアップの幹部職として声がかかる可能性がある。セカンドキャリアとしてスタートアップを選ぶのは正解なのか。自らも45歳でスタートアップに転職した河野氏が、キープレイヤーズの高野秀敏さんに聞く。

 今回のテーマはキャリアです。

 働き方のベースにはキャリアが存在します。私自身も電通からアクセンチュア、日本IBMに移り、独立やスタートアップ参画なども経験してきました。現在の働き方に対する考え方の基礎部分には、それらを通じて得たものや考えたことが存在しています。

 今回はその中でも、“スタートアップというキャリア”に注目しようと考えました。

 この考えに至った背景は、自分自身が45歳で初めてスタートアップの世界に飛び込んでみて、「この選択肢もありだな」「結構やれるな」という感想を率直に抱いたこと。もっと言えば単純にやりがいがあって楽しいから、ということでもあります。この“スタートアップというキャリア”は、より多くの人にとって検討する価値がある選択肢なのではないか、と考えたわけです。

 一方で、スタートアップ側の立場で見ると、誰にでも合うわけでもない、もしくはそれなりの注意点が必要な選択肢でもある、とも考えています。例えば採用活動をしていると、「自分は大企業出身だから、下々のお前たちに教えてやる」「給与1000万円は当然」といったスタンスの方に出会うこともあります。「私は年間売り上げ100億円以上担当しています。かるくアイデミーの売り上げを超えます」的な人とか。「どうやって開拓したんですか?」とお聞きすると「戦前からのお客様です」と。「それは○○商事が偉いのであって、あなたの実力じゃないです」とは言いませんが、明らかにギャップはあります。

 また、大企業では「あって当然」のものがスタートアップにはないのでショックを受ける人もいます。それが元でトラブルも頻発します。この手のトラブル対応に役員がかかりきり、ということすらあるのです。

 このような状況を目の当たりにして、大企業に一度就職した人でも、「こういう人であれば」とか「ここに気をつければ」良い転職になる可能性が高まる、と言うポイントがあるのではないか、と考えました。

 そこで、今回は、この疑問に答えていただくのに最適な方をお迎えしました。スタートアップへの転職支援を中心に人材紹介の世界で活躍され、エンジェル投資家としてもスタートアップに関与されている、キープレイヤーズ(東京・港)代表取締役の高野秀敏さんにお話を伺います。

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高野 秀敏(たかのひでとし)氏
新卒でインテリジェンスに入社。その後、キープレイヤーズを設立し、人材エージェントとして、55社以上の社外役員・アドバイザー・エンジェル投資を国内、シリコンバレー、バングラデシュで実行。1万名の方のキャリアカウンセリングと面談対策を行う。マネジャーとして、キャリアコンサルタントチームの運営・教育にも携わる一方で、人事部採用担当として、数百人の学生、社会人と面談。学校や学生団体での講演回数は100回以上に上る