いろんなボールをちゃんと拾う人はいつか幹部になる

河野:高野さんはツイッターで「メンバーでも幹部でも大事なこと」というリストを上げて大きな反響がありましたね。ぜひこれも解説していただけませんか。

メンバーでも幹部でも大事なこと
1.完璧主義よりスピード
2.代案のない批判はしない
3.まずは素直にやってみる
4.睡眠、食事、運動のバランス
5.評論家ではなく実行、結果が全て
6.仕事とは他者評価で決まる
7.仕事のできる人は頭が良い人でも性格の良い人でもなく結果が出るまでやり切る人
→なんですがチームプレイは大事

高野:そうですね。ツイートしたら結構バズってたやつなんです。コンサル会社出身の人なども同じようなことを言います。1.の「完璧主義よりスピード」で言うと、コンサルの方はすごくたくさん分析するので起案するまで時間がかかるんですね。対してベンチャーの場合は、PDCAというより、何かちょっとDoしていけそうなら、DCAみたいな感じなんです。すべて完璧にやるっていうよりは、スピードの方が大事なのです。

 2.は若手の方向けのアドバイスです。スタートアップは批判することしかないので、批判し始めたら止まらない。だけど代案のない批判をしてもしょうがないんじゃないかと私は思うのですが、これをツイッターに投稿すると、毎回プチ炎上というか、これに絡んでくる人がすごく多いのです。

河野:どういう文脈で絡むんですか

高野:「言いたいことは言いたい。たとえ代案がなくても不満があれば言いたい、言わないっていうのはおかしい」と言う人が多いんですよ。

河野:世の中全般で、不平不満を言いたい人がたくさんいるっていうことを証明しているのでしょうね。普段言えないから、ためにためて匿名で爆発させる感じでしょうか。

高野:3.はまず素直にやってみようと。4.は睡眠、食事、運動って書いてあるんですけど、実際、スタートアップでは心身ともに体調崩しちゃう人も結構多いのです。感覚的に年々増えているような気がしています。

河野:僕もそう思います。

高野:ベンチャーに限りませんが、環境の変化などがあって、睡眠や運動、食事をおろそかにしてしまうと、ボディブローのように効いてきますから。

 5.の「評論家ではなく実行、結果が全て」については、評論家は最悪なのです。スタートアップの場合、言ったのなら自分で巻き取ってやってね、というのは絶対ですね。今日は評価されないかもしれないけど、いろんなボールをちゃんと拾って問題解決している人は、結局いつか幹部になります。「これはなんかダメだ」とか「これは私の仕事じゃない」というのが始まっちゃうと、その人はそこで成長が止まります。

河野:評論家が1人いるだけでスタートアップは文字通り企業活動が止まっちゃいますよね。大企業は評論家が何人いても止まらないですけど。

高野:こういう人がいたときに、やっぱり会社の理念に立ち返ります。「うちのバリューはこれだから」と言わないといけないんです。こういう人が出てきたタイミングで、ミッション、ビジョン、バリューを整理し直したりとかしている会社は多いとは思います。

自己評価が高すぎる人はベンチャーには向かない

高野:続いて6.の「仕事とは他者評価で決まる」。これも若手向けです。他者評価で決まるのは当たり前なんですけど、認識のない方は結構多いようです。「俺はこの顧客を握っていて、俺のおかげで売り上げが上がってる」みたいに思ったり言ったりする人は結構いるんです。それが理由で会社の和を乱している人も存在している。ベンチャーでうまくいかないパターンは、自己評価が高すぎるというケースが典型です。最後の7.も、結局仕事は実行力だ、という話です。

河野:真実ですね。

高野:結果を出してもらわないと。そこに言い訳はなかなか通じない。大きな会社と比べた場合に、一人当たりで「あなたができたかどうか」が、会社の業績に与える影響が大きいのです。

河野:チームプレイが大事っていうのは7.にかかるのでしょうか?

高野:はい。矛盾しちゃうかもしれないですけど、「なんでもいいから絶対結果出せよ」みたいな側面はあるんですが、度が過ぎると「いやプロセスも大事だから」とか、「少し周りを見て」という観点も重要になってきます。

河野:バランスってことですね。

高野:某ネット大手の有名経営者も、「お前は自分のことしか考えてない」とアドバイスすることもあるし、「もっと自分を出して自分自身を結果にコミットしろ」っていうふうにアドバイスすることもあり、それは相手に合わせていると言っていました。ただベンチャーではどっちかと言われたら、やっぱり結果にコミットするしかないとは思います。