5月病が遅れてやってきた

河野: 私の現在の職場であるアイデミーは、今の業態になって3年ほどで急成長し、現在50名弱の従業員がいます。コロナ禍が始まった頃からエンゲージメント調査を導入しています。スタートアップは変化の連続で、組織の成長に一人ひとりの心やスキルの成長が追いつかないということが多発します。いち早くそれを察知して対応するべく、経営陣の総意として導入しました。

 エンゲージメントスコアはずっとフラットでした。それにもかかわらず夏過ぎから体調を崩す社員が出始めたのです。数字には予兆と言えそうなものもありませんでした。そうした状況を目の当たりにし、エンゲージメント調査についての諸々の仮説が頭をよぎりました。

 「月に1回の調査頻度が問題なのか」とか「エンゲージメントが大きく下がっている社員がいるのに、モチベーションの高い新入社員がが多く入ってきて打ち消しているのか」とか、「やはりリモートワークが原因なのではないか」とか。そもそもこの手の調査そのものに対して懐疑的になったりもしました。

 経営者や人事担当の方々と話す機会が多いのですが、やはり同じような悩みを持っている人は多いというのが私の印象です。Geppoは様々な規模や業種の企業で活用され、多くのデータが蓄積されていますが、どのように見ていますか?

林: 個社を特定しない総データで判断すると、実は「仕事満足度」のスコアの数値に大きな変化はありません。ただし今年は少しだけ時期がずれています。

[画像のクリックで拡大表示]
Geppoの仕事満足度スコア平均値推移(出所:ヒューマンキャピタルテクノロジー)

 2019年は3~4月に上がって6月に落ちています。これは毎年同じ傾向です。しかし2020年は5~7月に上がって8月に落ちています。新年度の組織立上げが遅れた可能性があると分析しております。それに合わせて5月病も遅れて発生していると考えております。

 落ちた時期は、コロナの第2波が来た頃です。異動や入社などの新環境でいったん上がった気分が下がったのでしょう。とはいえ全体としては仕事満足度では大きな変化はない、といえます。