「こんな状態でも会社に来させられた。こんな会社辞めたい」

林: Geppoはスコアだけでなくフリーコメントも取れます。その中にも重要な示唆が含まれています。

 いくつかのコメントで「リモートワークだとどうしてもルーティン作業が多く、会話を通じて成立するようなチャレンジングな仕事に関与しにくい」というものがありました。チャレンジングな仕事を与えられるかどうかが鍵ではないかという考え方もできます。また、若手層からは「ちょっとしたことを先輩に聞けない」という悩みも聞こえてきました。

河野: 前向きな若い人は常に先輩を見て、そこから学ぼうとしていますよね。何を隠そう私も駆け出しの頃はそうでしたし、そこで学んだことが今の私の全てとすら言えます。

 そういった機会は一つ一つはちょっとしたことなので、わざわざミーティングを開いたり電話やメールで聞いたりすることではないでしょう。でも顔を合わせてさえいれば1日に何十回もあったはずのそうしたちょっとした学習・成長の場が、ごっそりなくなることで、これからキャリアを積んでいく人は成長機会を失っていると感じるでしょうね。

[画像のクリックで拡大表示]
筆者(写真:稲垣 純也)

林: フリーコメントの記入率は例年より25%程度増えています。これも何かを物語っていると思います。

 比較的早い時期に全社リモートにした企業では当時、会社に対して「ありがとう」という声がたくさん上がっていました。フリーコメントといえば、通常は不満が上がってくることが多く、人事や会社へのお礼コメントが寄せられるというのはあまりないケースです。今回のような非常時に素早くアクションを取った会社については、お礼コメントが多かったのです。

 これに対し、7~9月に出社を強制する方針を採った会社の社員からは、「こんな状態でも会社に来させられた。こんな会社辞めたい」というコメントが多く上がりました。会社の対応次第で従業員からの評価は二極化します。

河野: コロナ禍前だと理不尽な指示や依頼にも「会社の方針だから仕方ない」と思って従っていたのが、自分や家族の健康に被害が及びかねない事態では、声を上げるようになったのかもしれませんね。人事や経営に携わる方には非常に示唆に富む情報だと思います。中期的には業績と関連づけた分析ができるといいですね。(後編に続く)