新型コロナ感染防止にテレワークやステイホームが推奨されるなか、「家飲み」が増加している。手軽な気晴らしになる半面、過度なアルコール摂取は心身の健康を悪化させ、依存症にもつながりかねない。酒に飲まれないためにどうすべきか。

(写真:123RF)
2021年2月2日に政府は、10都府県を対象とした緊急事態宣言を、3月7日まで延長することを決定した。東京都ではテレワークの導入率7割以上を掲げ、さらに飲食店には時短営業の要請を続けている。それに伴い自宅でアルコールを楽しむ、いわゆる「家飲み」が増加している。
延長された緊急事態宣言が飲酒を加速させる?
下記に引用したFANCL(ファンケル)の「家での飲酒に関する実態調査」では「新型コロナの影響で家飲みが増えた人は約2割」としている。定期健康診断後の保健指導では「週1回の休肝日」が定番だが、同調査ではそれを超える“毎日飲酒する、との回答が女性で14.4%、男性では46.7%となっている。
ご自身、ご家族、あるいは職場関係者への新型コロナウイルス感染症を防ぐために、レジャーやショッピング、趣味の活動を我慢しているビジネスパーソンにとって、家飲みは数少ない気晴らしであろう。
職場で行われるストレスチェックの理論モデル(職業性ストレスモデル)にも示されているが、心理的なストレスはヒトに心(精神)と身体の面だけでなく、行動面でも何らかの反応を引き起こすことが知られている。
次の図でまとめたように、いわゆる“新しい生活様式”によるストレスによって、精神的な面では疲れを訴えたり、活気がなくなったり、イライラや怒りっぽくなる人がいる。身体面では肩こりや不眠を感じたり、食欲が落ちたりする。同様に行動の面では、アルコールなどの嗜好品に手が伸びることになる。