コロナ禍で導入が進んだテレワークは今後、常態化していくと見られる。働き方の急激な変化によりメンタルヘルスの不調を来した状態が問題視されている。そのメカニズムを考える。
(写真:123RF)

 「テレワーク」とは本来は職場から離れた働き方を意味する言葉だが、新型コロナの流行拡大に伴い、在宅勤務を行う人が多数に及ぶ状況となり、よく使われるようになった。日経BP総合研究所が2020年5月に実施した調査によると、テレワークないし職場勤務を組み合わせている人が約6割で、テレワークのみでは女性が男性より多い。他方、職場や仕事の事情でテレワークができない人が男女とも18%前後である。

 回答者による5年後の見込みでは、テレワークと職場勤務の組み合わせを予想する人が最多で男女とも半数を超えている。女性が男性よりも“両方の組み合わせ”も“職場で勤務のみ”も多いように見えるが、実は“5年後には働いていない”との回答が男性で多いので、将来の見込みに性差はないと思われる。

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現在と5年後の働き方(回答者数 男性:3782、女性:893) 出所:日経BP総研『5年後の未来に関する調査<全産業編>』2020年5月実施 

 テレワークは前安倍内閣が推進した「働き方改革」の主要な項目のはずであった。その導入は遅々として進まなかったが、4月初めの緊急事態宣言が発出される前後から急激に増えた。欧米先進国では30年以上前からテレワークは広く知られており、その導入には経営層の方針表明、ルールの作成、在宅等でのIT環境の整備、その活用に関する研修や相談窓口の設置が必須とされる。しかし日本ではこうした準備や周知がなされていないために、問題が頻発している。