「役員への尊敬」がエンゲージメントに影響を与える

 この分析で面白いのは、エンゲージメントに影響を与える項目として「役員への尊敬」が挙がっていることである。

 エンゲージメントは職場に大きく影響されるので「マネジャーへの尊敬」がエンゲージメント・ドライバーになることは想定されていた。しかし「役員への尊敬」がエンゲージメント・ドライバーになるということは、現在の役員の昇進基準や在り方に問題があることを示しているのかもしれない。「将来こうなりたい」というロールモデルとなるような役員育成や選抜の在り方などを、戦略的に企画、推進していくことが求められるだろう。

 最後にグローバル化が進んでいることとB、Cの分析結果を重ね合わせ、エンゲージメント強化にどのように取り組むべきかを考察したい。エンゲージメントを高めるために人事部門は「福利厚生」「給与」といった制度をきちんと整備・運用する一方、「仕事業務」「キャリア機会」「ワークライフバランス」といったラインマネジャーの役割・業務を支援していくことが重要である。

 「人」との関係性はエンゲージメントに影響するドライバーなので、配置や異動などに配慮すべきである。同時にパルスサーベイなどによって適宜職場をウオッチし、時には組織開発によって介入していくなどの対応が必要である。日系と外資系企業を混ぜたCは働く人全般を対象にしている。一人ひとりのキャリア展開の可能性を持たせるような仕事を与え、「いい仕事をすれば次によりよい仕事ができる」という長期的な視野を持たせることはエンゲージメントとリ・エンゲージメントに分かれる影響が出る。働く個一人一人にしっかり配慮し時に寄り添うことが求められるのではないだろうか。後編ではそのために人事部門が果たすべき役割について考える。