評価とセットで初めて生きるジョブ型

 カゴメは、2013年にジョブ型に舵を切った。同社常務執行役員 CHOの有沢正人氏は2012年にカゴメに入社してすぐに、職能資格制度から職務等級制度への変更に取り組んだ。「人にお金を払うやり方とは決別し、仕事にお金を払う形にした」と有沢氏は振り返る。

 まず役員クラスから職務等級制度に移行するため、役員のポストと仕事内容を洗い出して分析し、グレードに格付けした。同様の作業を部長、課長に対しても行い、2014年に部長クラス、2015年に課長クラスへの導入を終え、3年かけてジョブ型に切り替えた。報酬も成果に応じて昇給する形に変えた。

 ただし同社は、非管理職には今後もジョブ型は適用しない方針だ。理由は、担当職の若手社員には、様々な仕事の機会が増えることでスキルの幅が広がる可能性があるからだ。「一般社員は、ジョブを限定するとかえって本人の成長や横連携の機会を妨げてしまう懸念がある」と有沢氏は指摘する。

 「ジョブディスクリプションは大事だが、作って終わりでは失敗する」と語るのは、当サイトで連載「グローバル人事の極意~生き残るためのHR-X~」を執筆する、参天製薬理事で人事担当の藤間美樹氏だ。

 ジョブ型導入の際の重要項目として藤間氏が挙げるのは、評価の方法だ。参天製薬では、プロモーションを行う際に所属部門の上長、人事担当者に加え、他部門のマネジャーの三者がそろって面談する。例えば経営企画部の幹部の昇進を決めるには同部の上司、人事担当者のほか経理部の上長も同席するという具合だ。この多面的な評価方式により適切な人材を選抜でき、同社のジョブ型運用の成功の鍵になっている。

 「CHO Summit 2020 Winter」では、「これでいいのか、日本のジョブ型」と題したパネルディスカッションを開催する。カゴメの有沢氏、参天製薬理事の藤間氏から、それぞれの会社での「ジョブ型雇用」の進め方の要諦をお話しいただく。2人の「人事のプロ」から、ジョブ型導入のヒントをぜひつかんでほしい。