(写真:123RF)
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 本連載のタイトルは「グローバル人事の極意~生き残るためのHR‐X~」ですが、これまで人事らしいことにはほとんど触れてきませんでした。それには訳があります。

 私には大事にしている2つの人事の基軸があります。それは「経営に資する戦略人事」と「人と組織の活性化」です。前者は、グローバル人事としてキャリアを積み、海外の方々と仕事をするようになってから思いを強くした考えで、「経営の思いや経営戦略を、戦略的な人事施策によって実現する」ということです。

 それを現実のものにするためには、実はもうワンステップ必要です。「組織風土」です。経営の思いや経営戦略が実現されている組織はどのような組織であるか、組織風土を思い描き、それを構築する人事施策を実行することによって、思いや戦略を実現可能にするのです。戦略と組織風土の関係は、種と土壌との関係とよく似ており、両方が優れていても相性が悪ければ立派な樹木は育ちません。成果は出ないのです。

 
戦略と風土の関係
戦略と風土の関係
 

 グローバル組織で経営の思いや経営戦略を実現するには、どのようなグローバル組織の風土が最適なのかをイメージし、その実現に向けた人事施策を推進しなければなりません。グローバル人事が機能するためには、グローバル組織とはどういうものか、グローバルリーダーはどのように振る舞うのか、それを受けてメンバーはどう動くのか――といったビジネス慣行を理解し、その背景にある生活習慣まで理解する必要があります。そこを理解して初めて、グローバル人事施策という「道具」を使いこなすことができるのです。

 積水ハウスでは「『わが家』を世界一幸せな場所にする」というグローバルビジョンを実現するために、「積水ハウスを世界一幸せな会社にする」ことを目指しています。お客様を幸せにするには、社員が幸せでなければならないという思いです。そのために、「働き方改革」「ダイバーシティ&インクルージョン」「キャリア自律」の3つの軸を中心に施策を展開しています。

 「経営の思い/経営戦略→めざす組織風土→人事施策→組織風土実現→経営の思い/経営戦略実現」のプロセスを、グローバルではどのようにドライブしているのでしょうか。

 
戦略人事のプロセス
戦略人事のプロセス