日本の会社と人事部門は世界の人事競争に本気で参加しよう。これが本連載のキーメッセージです。たびたび書いてきた通り、私が言う人事競争は社員が目の色を変えて仕事に熱中できるようにする工夫で競うことです。

 米国のシリコンバレーはそうした人事競争が最も激しい地域です。私は30年間、シリコンバレーで3社のスタートアップのCEOを務め、採用、報酬と職務に関する交渉、評価を人事担当者と共にやってきました。シリコンバレーの人事を日本でもやれ、とまでは言いませんが参考になる点は多々あると考えています。

 今回は人事競争でもトップを走る米グーグルの施策についてお伝えしましょう。同社で9年間働いた須藤由紀子さんから先頃話を聞きました。

 須藤さんとの出会いは2006年にまでさかのぼります。当時私がシリコンバレーで経営していた、データベース・セキュリティ製品を手掛けるIPLocksというスタートアップに彼女は入社してくれました。2010年にグーグル本社へ移り、9年間働いた後、私と同様に日本へ戻っています。

 彼女が4回の転職を経て、着実に年収を高めていった経緯は『Googleに入って働く秘訣を阪神ファンのおばちゃんに学ぶ』という記事で紹介されています。

 須藤さんは出会った当時も今もチャーミングな方です。「大阪のおばちゃんです」と最近の彼女はよく口にしますが、私はそう思ったことも言ったこともありません。今回私は聞き手に回ったので以下の対話でQとあるのは私の発言、Aとあるのが須藤さんの発言です。

米グーグルのオフィス(写真提供:須藤氏)