問われる「サステナブル・コアコンピテンシー」

 チーム編成の際には「コアコンピテンシー(core competency)」を意識します。これもキーワードですね。チームのコアコンピテンシーがあり、メンバー一人ひとりのコアコンピテンシーもあります。

 資金調達をしようとしてシリコンバレーでベンチャーキャピタリストに会うと「お前の会社のサステナブル・コアコンピテンシー(Sustainable core-competency)は何か」と必ず聞かれます。一時的ではない、持続可能な強みは何か、ということです。

 創業者が良いアイデアを持ち、それを製品にするとします。出した当初は強みがあっても、同じようなアイデアの競合製品がすぐ出てくるでしょう。そのとき、さらに創意工夫をして、競合より前に行けるのかどうか、そこをベンチャーキャピタリストは知りたいわけです。

 毎日毎日、創意工夫をしながら自社のコアコンピテンシーをさらに強くしていくことで他社に負けない力を発揮する。それには社員一人ひとりが毎日毎日、創意工夫をしながら自分のコアコンピテンシーをさらに強くしていき、他人に負けない力を発揮してもらう必要があります。

 全員が自分のコアコンピテンシーを知り、CEOは社員一人ひとりのコアコンピテンシーを活用して経営する。シリコンバレー人事の基本です。

 自分で新しいことと思われることを創意工夫し、トライ&エラーを繰り返す。一歩の前進が見え、それに心が躍り、更なる創意工夫のエネルギーがみなぎる。心躍るエネルギーがいつも頭の根底にあり、夜中であっても目が覚め、新しいことを思いつく、それを実施したくてたまらず朝が来るのが待ちきれない。社員にこうなってもらわないとサステナブルになりません。かつての日本にはこういう熱気があったのではないでしょうか。

 もちろん仕事は一人でするのではなく、チームで実施します。社員一人ひとりがエキサイティングな創意工夫をして、チーム全員のベクトルの総和を最大限にできれば成功の確率をかなり上げられます。充実感が増し、さらにエネルギーが出ます。パッションで一杯の会社になります。手柄をとった、とられたなど誰も言わなくなるでしょう。結果的に会社が成功して社員は高収入にもなります。

アキオから一言

人事あるいは経理は極めて重要な仕事です。優秀な営業担当者や開発者を獲得しようと高給を提示するのは結構ですが、優秀な人事の社員や経理の社員がいたらそちらにも負けず劣らずの高給を出してはどうでしょう。優秀な人事社員とはパッション(熱気、情熱)で一杯の会社をつくれる人です。会社は人です。優秀な経理社員とは競合会社のお金の使い方(例えば製品、マーケティング、セールス、サポートに対して、どのような比率でお金を使っているか)を調査・分析し、競合他社とは異なった費用配分による勝負を提案できる人です。どちらもプロフェッショナルとして創意工夫とネバーギブアップの精神が求められます。繰り返し、繰り返しの勝負です。