日経BPは、2020年11月30日・12月4日の両日に「CHO Summit 2020 Winter~ニューノーマルを生き抜く人材戦略」(主催・日経BP 総合研究所、協力・Human Capital Online)を開催した。前回に引き続き、今回もオンラインでライブ映像を配信する形式のセミナーとなった。接触を避ける新たな働き方が「ニューノーマル」として定着しようとしている現在、人材マネジメントにはどのような戦略が求められるか――。人材マネジメントの先進企業のトップや最高人事責任者(CHO/CHRO)、有識者が次世代の人材戦略や具体的な取り組みを披露した。その中から、テルモとソフトバンクの人事リーダーが登壇したパネルディスカッション「組織量を高める採用と育成~時代リーダーを創る『経験』の学びと測定~」を振り返る。モデレーターは『Human Capital Online』編集長の原田かおりが務めた。(取材・文=加納 美紀、撮影=川田 雅宏)

グローバルリーダーの育成にオンラインで取り組む

 本セッションに登壇したテルモとソフトバンクの両社とも、グローバルに事業を展開する企業。いずれも、グローバルレベルの人材育成と活躍のために人事フレームワークを大きく改革してきた企業だ。

 テルモの売上収益は1999年度が1712億円で、この中で海外が占める割合は32%。これが2019年度になると、それぞれ6289億円、69%といった具合に海外でのビジネスが急成長してきた。現在は事業本部の半数以上が海外にあり、アソシエイト(社員)の80%が外国籍だ。取締役上席執行役員CHROの西川恭氏は「『日本発』のグローバル企業を目指している」と語る。

テルモ 取締役上席執行役員CHRO 西川 恭 氏

 西川氏は「グローバル化に対応するために、グループ全体でグローバル・キーポジションの後継者を育成することが重要な課題になっている」と強調する。現在、世界中の拠点から候補者30人を選抜した約1年間の研修プログラムをスタートさせており、同社のグローバル経営を担うリーダー育成に力を入れている。

 コロナ禍の2020年に立ち上げたグローバルリーダー研修は、オンラインでの開催となった。1年間のプログラムの締めくくりは2021年夏になるが、最後だけでもリアルで実施したいと考えているという。西川氏は、この理由を「その場で生まれる化学反応や仲間意識、一緒にテルモを盛り上げていこうという団結力が育まれなければ、消化不良になってしまうからだ」と語る。リアルな場をオンラインとどう組み合わせていくかが今後の課題となる。

 今年は、日本本社での新卒採用もすべてオンラインで行った。モデレーターの原田が「オンラインで実施するメリットや課題は何か」と問うと「メリットは、応募者の母数が広がったこと。最終面接まで100%オンラインで行ったため、地方の学生の応募が大きく増えた。一方、課題は学生に生産拠点の見学や会社に来て社員と会う機会を与えられなかったことだ」と答えた。

 入社後の新人研修もオンラインで実施してきた。工場の生産工程をオンラインで見てもらったり、シミュレーターを触って経験を積んだりしている。ビジネスにおける三現(現場、現物、現実)が揺らぎかけており、想像と現実のギャップを埋める必要性を痛感しているという。

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