2020年12月1~3日の3日間、日本経済新聞社・日経BPは「Human Capital 2020」(オンライン・ライブ配信)を開催した。ジョブ型、キャリア自律、多様性のある自由な働き方――。ニューノーマル時代、企業にとって不可欠なのは現場における人材の力である。一人ひとりのモチベーションとエンゲージメントを上げ業務効率化と生産性向上をはかるには、何をすべきか。企業の持続的成長、価値向上に向けて経営視点の戦略人事を行うCHO/CHRO(最高人事責任者)が、これからの人材マネジメントについて活発な議論を交わした。モデレーターは日経BP総合研究所HR事業部の上席研究員、大塚葉が務めた。(取材・文=岩辺みどり)

 企業にとって最も要となる“人材の力”。ニューノーマルの時代には、高いモチベーションとエンゲージメントを保って自律的に働く人材を育成できているか、企業の真価が問われる。このステアリングコミッティでは、現場で働く人材の力を伸ばしている先進企業であるカゴメ、セールスフォース・ドットコム、ライフネット生命保険の最高人事責任者が、人材マネジメントのあり方について語った。

働き方改革は、個人の生き方改革に直結する

 「会社における働き方改革は個人のQOL(Quality of Life)を上げることにつながり、個人における“生き方改革”とも言える。人生100年時代においては、すべての人が生きいきと働くことが必要とされる。それらを支える人事施策の1つとして、多様な働き方の推進があると考える」と話すのは、カゴメで常務執行役員兼CHOを担う有沢正人氏。カゴメでは、この“生き方改革”が人事戦略の大きなテーマになっている。

カゴメ 常務取締役員CHO 有沢正人氏
カゴメ 常務取締役員CHO 有沢正人氏

 働く場所や時間の制約を減らし長時間労働を削減することで、「個人が会社に使いすぎていた時間を、本人や家族に返していく」ことを目的としている。有沢氏は「残業時間を削減して空いた時間を自己研鑽やスキルアップに当てるべきだと言う経営者もいるが、私は違うと思う。その言い方では業務命令になってしまうからだ。空いた時間は、本人や家族が好きなように過ごせばよい」と指摘する。

  “生き方改革”の施策を進めるには、制度や仕組みの整備とともに会社と社員の相互理解が不可欠だと有沢氏は強調する。「個人が自分の価値観に合わせて、働く時間や地域、志向するキャリアを決めていけることが重要。社員一人ひとりが自分のキャリアを決める“キャリア自律”によって、会社と個人がフェアな関係になることが理想だ。会社は社員のキャリア自律をサポートしていく立場であればいいと思う」(有沢氏)。

 カゴメではテレワークや裁量労働制を始め、ジョブ型導入や報酬・評価制度のリデザインやインフラづくりに力を入れている。特に報酬・評価については公開による透明性を心掛け、社員に納得感を持ってもらう土壌づくりを続けている。

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