CDPで日本企業初の「トリプルA」を獲得し、独評価会社のESG評価は世界の上位1%に入る花王。今や世界でもトップレベルのESG先進企業となった同社の経営を徹底解剖する。

 花王はESGで企業価値を高めると公言し、実際、その取り組みに対する評価は日本企業で随一といっていい。例えば、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用するESGインデックス(株式指数)全てに組み込まれている。運用資産総額106兆ドル(約1京円)という世界の機関投資家が賛同するCDPの評価では、日本企業で初めて「トリプルA(気候変動、水、森林の全3分野で最高評価)」を獲得している。

 2021年2月にはまた新たな勲章を手に入れた。企業倫理やコーポレートガバナンスなどが優れた企業を米大手シンクタンクのエシスフィア・インスティテュートが選ぶ、「World's Most Ethical Companies(世界で最も倫理的な企業)」に15年連続で選出されたのだ。この偉業を成し遂げた日本企業は花王をおいて他にない。

トヨタ超えの世界上位1%

 ESGに関する調査やコンサルティングなどを手掛けるQUICK ESG研究所リサーチヘッドの中塚一徳氏は花王について、「あらゆる角度から見て相当先進的な取り組みをしている」と評する。この根拠になっているのが、ESG評価会社の独アラベスクS-Rayのスコアだ。世界の資産運用会社や企業などが活用しており、QUICKもこのスコアを基にしたサービスを提供している。

 株価への影響が大きい項目を業種別に重み付けして採点する「ESGスコア」について、「花王は世界約8000社の上位1%に入っており、評価は極めて高い」(中塚氏)。ESG先進企業としても知られる日本を代表する企業、トヨタ自動車をも上回るばかりか、世界でもトップクラスにある。ESGスコアを項目別に見ても、「CO2排出(83.36)」「環境ソリューション(82.95)」「人権(82.8)」──といった具合に、50が平均とされる中でいずれも高いスコアをたたき出している。

■ ESGでの評価は日本企業で随一
■ ESGでの評価は日本企業で随一
※:「気候変動」「水」「森林」の全てで最高評価 GPIF:年金積立金管理運用独立行政法人