3人の新取締役にそれぞれ何を期待しているか。

青井: 中神さんは世界でも稀有な長期エンゲージメント投資家(経営に積極的に関わり企業価値を高める株主・投資家)。当社のことを理解してくれていて、かつ有益なアドバイスをくれ、時には耳の痛いこともズバッと言ってくれる。そういう本当の意味で企業価値の創造につながる人とじっくり話し合いをして企業価値をつくっていきたい。そこにIRのリソースを最大限投入することが、結果的にそれ以外の株主にとってもプラスになるのではないか。

 この逆が、海外にも行ってできるだけ多くの株主と1対1で会って同じような話をするという方法だ。これが果たして企業価値向上につながっているのかという反省があった。

 ピーダーセンさんは、環境分野の草分けで、若い人を中心に世界中にネットワークを持っている。地球を対象とし、人類の未来に関わるサステナビリティに取り組んでいく上で、グローバルな視点でアドバイスをいただけるのは大事だ。

 小島さんは、恐らく産業医で執行役員になった初めての人だろう。最初は社員の健康やWell-beingから着手し、数年間取り組んでいるうちに、この活動はお客様や地域・社会へ広げていくべきものだという考えに至った。もっと影響力のある高い視点からWell-beingを実践できる立場に立ってもらった方が取り組みも進むのではないか。

 最近、改訂されたコーポレートガバナンス・コードでも言われている取締役のスキルセットの点からも、大変際立ったものを持った方々で、多様性は従来になく高まった。

ステークホルダー経営を具現化

日本企業のガバナンス改革の一環として、取締役会の監視・監督機能の強化が求められている。

青井: モニタリングボードは大事だが、株式会社にとって必要最低限の基盤にすぎない。今は、サステナビリティやWell-beingなどもっといろんなものが求められている。株主の利益だけが守られる立て付けではステークホルダーの期待に応えられない。

 もう少し創造的に新しいデザインを考えないといけないのではないか。「ボード(取締役会)3.0」(社外取締役が積極的に経営戦略の立案などに関わる統治形態)などいろんな考えが出てきているが、我々は我々なりにステークホルダー経営を具現化する取締役会の在り方を模索している。