発達障害のある人が職場で長期に安定就労するためには、上司をはじめ周囲による、発達障害を理解した上での対応力が必要とされる。しかし現状、そのスキルを磨く場はなかなかない。そこで発達障害のある人の就労支援を行う団体が主催するセミナーに参加、特性に配慮した支援を行うための視点や技術などを学んだ。

2日間で発達障害について学び、対応の考え方や技術を習得

 編集部ではこれまで、発達障害のある、または発達障害が疑われる社員をどのようにマネジメントしていけば長期安定就労につながるかを探るべく、特例子会社で働く社員とトレーナーや人事、障害者雇用を行っている一般企業人事、そして発達障害の復職支援に取り組む精神科医などの取材を重ねてきた。

 この過程で「就労支援する側の育成やスキルアップをどうしたらよいか」という疑問が出てきた。厚生労働省が認定する、障害者の職場適応支援を行うジョブコーチ(参照:電通国際情報サービス取材記事)を社内に配置する企業もあるとはいえ、どの企業にも必ずいるわけではない。こうした資格取得も手段の一つだが、発達障害のある人に合理的配慮をしながら適切な業務評価と指導のできる人材は、ますます求められていくことが予想される。

 今回は神奈川県横浜エリアで自閉症者の支援を行う社会福祉法人横浜やまびこの里主催で、発達障害の人の就労支援に必要な知識とスキルの習得を目的とするセミナーが開催されると聞き、その模様を聴講した。

 この「JC-NET発達障害就労支援セミナー」は障害のある人に対する就労支援の情報発信、ネットワーク作り、人材養成を目的に2006年に設立されたNPO法人ジョブコーチ・ネットワークが企画しており、公益財団法人キリン福祉財団による助成金を活用、全国各地で研修を開催している。また、同法人は厚生労働省が定める研修機関として、訪問型及び企業在籍型職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修を行っている。

 受講者は障害者の就労移行支援を行う企業福祉事業所の職員社員や、一般企業の人事の障害者雇用担当者や特例子会社の指導員などが多い。2日間のプログラムで1日目はオンラインによる講義、2日目は集合形式による演習が中心であった。1日目は全国から70名ほどが参加し、オンラインで受講した。