近年、一般採用の職場で「大人の発達障害」と思われる社員の対応に苦慮している企業人事部が増えています。そこで、参考にしたいのが障害者雇用の現場が長年培ってきたノウハウです。今回は、企業在籍型ジョブコーチの資格を取得した管理者が発達障害者の就労支援と管理を行う、電通国際情報サービスの皆さんに話を伺いました。

 電通国際情報サービス(以下、ISID)は、まだパソコンもインターネットもなかった1975年に、広告会社の電通と米国ゼネラルエレクトリック社(GE)との合弁によって設立された情報通信事業の先駆けと言える企業です。現在は企業のシステム開発、ネットワーク構築から運用管理に加え、DX推進も手掛ける総合情報通信サービス会社となっています。

 同社では、人事部内の組織として、三鷹サテライトオフィス、鶴見サテライトオフィスの2つを障害者雇用の拠点として設立し、運営してきました。そして2020年に新たな拠点として品川事務センターを設立。さらに障害者雇用義務を有するグループ会社が複数あることから、昨年1月にISIDブライトを設立、本年4月に特例子会社の認可を取得しています(ISIDでは「障がい」と表記)。

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(出所:電通国際情報サービス)

 「これまでは、どちらかと言えば身体障害者や知的・精神障害者といった発達障害以外の方の採用が多かったため、昨年新たに設けた品川事務センターでは発達障害の人にも間口を広げたいと考えました」と話すのは、コーポレート本部・人事部ワークサポートグループの板垣康子グループマネージャー。その結果、品川事務センターで採用した10人全員が発達障害者となっています。

 ISIDの障害者雇用では、各事業部門やコーポレート本部の業務の中から、「管理システムのデータ確認・更新作業」「製品紹介ウェブサイトページの作成」といった障害者が対応可能な業務を部分的に切り出し、それを事務サポートを担当する各拠点に振り分け、それぞれの障害者が取り組む仕組みを採用しています。