欧米では早くから導入されてきたHRBP(HRビジネスパートナー)。事業戦略の支援と加速化を行う戦略人事で、米ミシガン大学のD・ウルリッチ教授が提唱した4つの人事機能の一つだ。事業部門の責任者と連携し、必要な人材の調達や配置、人材に関する課題解決に当たる。企業の成長戦略には必要な機能だが、海外に比較して日本での導入例はまだ少ない。日本では、なぜHRBPが少ないのか。

(写真:123RF)
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 「HRBP(HRビジネスパートナー)を入れたいのですが、どうしたらいいですか?」
 「社長から急にHRBPを導入しろと言われ、困っています」

 こんな悩みを漏らす人事担当者が増えている。

 HRBPとは、人事研究の権威である米ミシガン大学教授のデイブ・ウルリッチ氏が1997年に提唱した人事機能の一つで、企業の事業戦略を支援し加速化する役割を担う。事業部門の責任者と連携しながら、事業に必要な人材を社内外から調達して配置したり、事業部門の人材に関する課題解決に当たったりする業務が求められる。

 欧米企業は事業戦略と人事戦略の連動を最重視し、2000~2010年頃からHRBPを導入している。一方、導入で後れを取っていた日本企業でもグローバル化や人材流動化など労働市場の変化を受けて、ここ数年でHRBPが注目を浴びるようになってきた。しかし実際には、海外に比較して日本での導入例はまだ少ない。

 HRBPに関して、企業の人事担当者からしばしば寄せられる質問をいくつか紹介してみよう。

・日本企業では、なぜHRBPの導入事例が少ないのか?
・HRBPとは一言でどんな人か? HRBPに必要なスキル、資質は?
・HRBPを導入すべきなのは、どんな会社か? 業種、従業員規模は?
・HRBPのキャリアパスをどう考えればいいか? HRBPになった後は?
・HRBPを導入して失敗するのは、どのようなときか?

 この連載ではこうした質問に対して、HRBPを導入した企業やHRBPに詳しい人事担当者にコメントやアドバイスをもらいながら、解決策を検討していく。初回である今回は、日本にHRBPが少ないわけを見ていこう。