企業の成長戦略を担う重職、HRBP(HRビジネスパートナー)。欧米では早くから導入されているが、日本で注目されるようになったのはここ数年である。そもそもHRBPにはどんなスキルや資質が必要なのか。どのような人材がHRBPに適しているのか。

(写真:123RF)

 「HRBP(HRビジネスパートナー)は、どんな仕事をすればよいのでしょうか」
 「人事担当者との違いは何ですか」
 「HRBPに向いているのはどんな人材でしょうか」

 このような問いをよく耳にする。

 前回は日本企業でHRBPの導入事例が少ない理由を見てきた。従来の日本の人事は、事業戦略より制度策定や管理などのオペレーションが主体。経営戦略と人事戦略が連携していなかったことが、HRBPが育たない原因の一つだった。

 2回目の今回は、企業の人事担当者からしばしば寄せられる質問「HRBPに必要なスキルと資質は何か」を取り上げる。HRBPを導入した企業や、HRBPに詳しい人事担当者にコメントやアドバイスをもらいながら検証していく。

 「HRBPに必要な資質として当社が明言しているのは、コミュニケーションスキルの高さ」と語るのは、カゴメ常務執行役員CHOの有沢正人氏だ。「“俺が俺が…”と前に出てくるのではなく、相手の立場で考え、目線を現場に合わせられる人。HRBPには相手に質問し傾聴し共感できる、いわゆるコーチングスキルも求められる」(有沢氏)

 カゴメがHRBPを導入したのは2017年。目的は「10年後に通用する人材の育成」と明確だ。同社がHRBPに求める主な機能は、現場の人事課題の掘り起こしと従業員のキャリア開発。HRBPは人事からではなく研究開発、営業、工場など様々な部署から募った。「人事の経験はなくてもいい。むしろ現場経験がないままにHRBPを任せると単なる“人事屋”になってしまう」(有沢氏)