【概要】 従業員に対して、週次や月次などの短いサイクルで実施する簡易的な調査のこと。従業員エンゲージメントを測定するために実施する企業が多い。「パルス」とは、日本語で「脈拍」の意。従業員の意識や行動をリアルタイムに近い状態で定点観測できることが大きな特徴。

 自律的に行動する人材の育成が重要な経営課題となった現在、大半の企業が従業員の意識を把握するための調査を実施するようになった。様々な人事施策に活用できるようにするために、膨大な数の設問がある調査を年に1回、実施するのが典型例だろう。

 こうした調査の問題は、調査結果から課題を抽出し、それを解決する人事施策の立案に大きな手間がかかるので、実際に施策を実施するまでに数カ月といった長い期間を要することだ。経営環境が目まぐるしく変わる現在、施策を実施するのに何カ月もかかっていては、その間に新たな課題が生じている可能性も否定できない。さらに、設問数が多いために調査の実施・分析に膨大なコストがかかるという問題もある。こうした問題を解消するのが、パルスサーベイだ。

効果 リアルタイムの定点観測で課題を解消

 パルスサーベイは、特定のテーマ(課題)に対する従業員の意識をリアルタイムに近い状態で把握することが大きな狙いだ。実際には、従業員エンゲージメントを把握するために実施している企業が多い。コロナ禍でリモートワークを本格導入した企業では、従業員のメンタルヘルスチェックのためにパルスサーベイを実施しているところも多い。

 従来の意識調査と比べて、パルスサーベイの設問数は極めて少ない。一般的には、数分で回答できるように数問から10問程度になっている。設問数を減らすことで、回答者の負担を軽くするとともに、人事部における実施・分析の手間暇を軽減できるという恩恵がある。

 短サイクルで実施する点も、従来の意識調査との大きな違いだ。年に1度の定点観測では、その間の意識の変化を捉えることはできない。パルスサーベイでは、リアルタイムに近い状態で変化を把握できるので、課題が浮かび上がった組織や従業員を個別にフォローすることが可能になる。

 近年、パルスサーベイを実施する企業が増えている背景にはクラウドサービスの存在がある。この数年の間に、人事部門向けのクラウドサービスの多くがパルスサーベイの機能を備えるようになったためだ。

事例 Visionalグループは2種類のパルスサーベイを実施中

 ビズリーチやビジョナル・インキュベーションなど合計6社で構成するVisionalグループは、「1mc(1Minute Check)」と名付けたパルスサーベイを月に1度の頻度で実施している。やりがいと能力活用に関する3つの質問から、メンバーの仕事への取り組み具合を把握するものだ。サーベイからアクション実施まで3日程度を想定しているという。回答推移から要フォロー者を予測して上長にフィードバックし、1on1などに活用中だ。

 このほかにも、同社は「在宅勤務時コンディションチェック」というパルスサーベイも隔週で実施している。社員の生活習慣・体調・コミュニケーション量などに関する7つの質問から、コンディションを把握するものだ。サーベイからアクション実施まで2日程度を想定。結果は、組織内メッセージのチューニングや勤務体制ガイドライン制定に活用しているという。

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