組織改編でベテランと若手が組んで仕事するように

 前掲のリクルートMSの調査では、ポストオフ後の環境への適応感が高い社員は「新しい知識・スキルや専門性を身に着ける」「権威を振りかざさない」「社内の人脈を広げる」といった事前準備や行動をしていたことが明らかになっている。それを体現しているのが、2021年4月から継続雇用となった営業統括部営業1部3グループシニアソリューションプランナーの山田雅之氏だ。山田氏のキャリアにはそのヒントが多く含まれている。

 営業統括部長として経営会議メンバーも務めた山田氏は、2009年に48歳でポストオフを経験した。それ以来、営業プロフェッショナルとしての専門性を磨いてきたが「以前は自分ひとりで仕事している感覚が強く、『組織として他のメンバーと一緒に仕事する』という感覚を持てるようになったのは、組織改編で若手といっしょに仕事するようになってからだ」と打ち明ける。

山田 雅之 氏
山田 雅之 氏
リクルートマネジメントソリューションズ 営業統括部 営業1部 3グループ シニアソリューションプランナー

 山田氏がポストオフとなった当初、リクルートMSはシニア社員だけのグループを組織し、ベテランのマネジャーがマネジメントを担当していた時期もあった。ポストオフした社員を若手マネジャーがマネジメントするのが難しかったからだ。山田氏は「シニア社員の間では自分たちの力量や考え方が、会社が求めるものと一致していない、過去の経験や自分たちの強みが受け入れられないのではという勝手な思い込みがあった。組織的に離れていると、若手と話す機会もなく、シニア社員の側も管理職経験者であるがゆえにかえって自ら関わるのを遠慮してしまっていた」と当時を振り返る。

 山田氏の働く姿勢が変わったのは2018年4月、中期経営計画策定に伴って組織改編が実施され、シニア社員が20代や30代と一緒に仕事するというグループに再編成されたことがきっかけだ。「新しい組織ではベテランと若手が組んで仕事するようになり、そこでのコミュニケーションから、もう一度自分たちの存在意義を実感できるようになった」(山田氏)。

 山田氏は、営業のプロフェッショナルとして大手IT企業を中心に長年リレーション営業を手掛けてきた。しかし、若手がクライアントの課題を整理し複合的なソリューションを提案していく姿を目の当たりにして「苦手だからと逃げていた自分も逃げずにやるしかない。他の強みも身に付けていく」と積極的に努力するようになったという。山田氏が所属するグループのマネジャーを務めていた営業統括部マーケティング営業部の加藤駿介氏も「(山田氏が)誰からでも学ぼうとする姿勢を若手もリスペクトしている」と指摘する。

加藤 駿介 氏
加藤 駿介 氏
リクルートマネジメントソリューションズ 営業統括部 マーケティング営業部 2グループ マネジャー