「若手に教えるため」に学び続ける

 現在、山田氏はDXを切り口にした組織改革支援と、自身の経験をベースにした「シニア(アフターミドル)」をテーマとし、RMSアカデミー講師でも関連の講座を実施している。「シニアが若手にナレッジを共有する制度があるので、諸先輩に育ててもらってきた自分の過去も踏まえて『お返ししよう』という意識を持てる。人に教えようとすると、さらに学ぶことができる。学びを楽しむ姿勢を持てる」と手ごたえを感じている。

 「ポストオフ後の評価と等級については多少残念に思うこともあったが、ベースとしては納得できる給料をもらっている。顧客はもちろん、組織内のメンバーとどれだけ協働できるかが課題だ。例えば、自分から自発的に学習の場を作っていくことで、社内に協働する人や相談できる人が増えている。リモートワークによるオンラインのつながりでこれをより強く実感するようになった」(山田氏)。

 今後、いわゆるバブル世代入社の社員が役職定年を迎える中、ポストオフ当事者の働きがいと生産性をいかに高めていくかは、企業にとって切実な課題だ。リクルートMSでは年齢・雇用形態によらない実力主義の人事制度を徹底しているが、例えば、ミドル・シニア社員の処遇については必要な職務(ポジション)や要件を定義し、その価値を定量的に定める運用も一案だろう。また、社員が主体的に学び続ける姿勢と行動を支援するためには、キャリア早期からの取り組みが鍵となる。それには、若手やミドル・シニアの区別なく学び合う仕掛けづくりが有効な手段だと言えそうだ。