サイバーエージェント常務執行役員 CHOの曽山哲人氏とメルカリのDiversity & Inclusion Teamマネージャー寶納弘奈氏の対談最終回。心理的安全性とモチベーションを高める社内コミュニケーションの秘策を公開。なかでも重要なのは、抜擢と異動のときの「上司の説明」だという。(モデレーターは日経BP総合研究所客員研究員の須東朋広、構成はHuman Capital Online発行人 小林暢子、写真は川田 雅宏)。

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須東朋広(以下、須東):心理的安全性という言葉が出てきましたが、イノベーション創出に不可欠なものではないでしょうか。自由闊達な意見をどんどん出しながら議論することで、科学的反応が生まれるのですから。職場の心理的安全性を作るために人事はどう関わっているのでしょうか。

「炎上」は当人同士で解決、でもときには人事が介入

曽山哲人氏(以下、曽山):サイバーエージェントでは、「チームサイバーエージェント」「挑戦した敗者にはセカンドチャンスを提供する」などの会社の価値観や行動指針を表現したミッションステートメントを体現してくれるならやり方は何でもいいと考えており、ルールは最小限にやり方はみんなに任せています。社員同士の関係性が非常に強く、チームビルディングや活性化の重要性をよく理解しているため、あらゆる部署で様々な仕組みが作られています。またエンジニアも勉強会を開催するなど関係性を強める取り組みをしています。

須東:メルカリではいかがでしょうか。Slack上で職種を問わずいろんな方が議論していらっしゃると思いますが、いい意味での化学的反応が起こる一方で、ぶつかっちゃって厳しくなるみたいな部分もあるのでは。人事部門が介入することもあるのでしょうか。

寶納弘奈氏(以下、寶納):Slackに100~200のコメントがついて「今、なにか起きてますね」みたいなスレッドができることは確かにあります。建設的な議論の場合もあれば、みんな気持ちの拠り所がわからなくてそういう状態になっている場合もあります。個人のウェルビーイングがとても大切なので、誰かが糾弾されているような状況になってしまった場合は、HRBPや労務チームのメンバーが介入して、話し合いを客観的な立場でファシリテートすることもあります。ただ基本的には「本人同士で解決してください」というのがメルカリのスタンスかなと思います。

 ただコロナになる前から言われていたことですが、やはりSlackでのコミュニケーションでは、「どういう気持ちで言っているか」「どういう表情で言ってるか」というところまで“通じ”合えないところがあります。私自身もコロナ前は「(議論している相手が)隣の島にいるんだから、Slackじゃなくて直接行って話してきたら」と上司に言われたことありました。会って話せば解決することもあるはずですが、そういう場を今は持ちづらいのが現実です。何かの議題について話すといった明確な目的がなくても、その場にいるだけ、みんなが顔を合わせるだけの、ストラクチャーがない時間というのもきちんと設けて、顔を見て声を聴くチームミーティングをやってみてはどうかと、人事からも折を見て発信しています。

須東:自分でいろんなアイデアを出して炎上する人がいる一方で、オンラインのコミュニケーションで自ら発言できない人もいると思います。曽山さんのところは、変化対応力が会社の重要なキーワードですが、そういった社員が変化対応できるようにするために、人事が職場のリーダーと協力して何かしていますか。

サイバーエージェント常務執行役員 CHOの曽山哲人氏とメルカリDiversity & Inclusion Teamマネージャーの寶納弘奈氏
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サイバーエージェント常務執行役員 CHOの曽山哲人氏とメルカリDiversity & Inclusion Teamマネージャーの寶納弘奈氏

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