コロナ禍によるリモートワーク浸透で、これまで対面や集合で実施してきた企業研修はオンライン研修やeラーニングに大きくシフトした。中でも、法人向けオンライン学習ツール「Udemy Business」は現在、国内で500社以上が導入、うち35%以上を日経225企業が占めるという。企業がこうしたオンライン学習に注力する狙いとは何か。

人材育成投資のアロケーションが変わった

 米Udemyは、2019年から日本国内における法人向けオンライン学習ツールの提供をスタートした。2015年から提供を始めた個人向けツールに比べると日が浅いが、導入社数の伸び率は高いという。その理由について、Udemy Business導入支援を手掛けるベネッセコーポレーション 大学・社会人事業開発部Udemy事業責任者の飯田智紀氏は「コロナ禍で、経営者にとって自律型人材の育成というイシューの優先度が上がったからだ」と指摘する。

 自らキャリアを描き、専門性を高めるため自主的に学ぶ自律的人材の重要性は以前から指摘されていたが、この育成不足がコロナ禍で顕在化した。対面での研修ができなくなってはじめて「『対面でなくては実のある研修はできない』という企業の思い込みをリセットし、個人もオンラインで自ら学べることを体験できた。これは日本だけでなく世界中で同時に起こった大きな変化だ」(飯田氏)という。研修を企画する人事部門も、対面で集合研修を行う日程や会議室の調整にかかる手間や、移動に伴うコストなどをデジタルによって大幅に削減できると気がついた。

 集合研修では受講者のモチベーションや前提となる知識のレベルがそろっていないことが多いため、講師の能力に依存する部分が大きい。一方、オンラインの場合、受講者は事前にeラーニングで知識をインプットし、レディネス(学習するための心身の準備状態)を高めて研修に臨めば、演習やディスカッションの密度を上げることができる。さらに、ワークショップの内容を録画し、それをテキスト解析すれば、どのように進めれば新しいアイデアが生まれるかといったことも分析できる。「研修自体をDX化していくことも可能となり、人材育成に対する投資のアロケーションが変わった」と飯田氏は指摘する。

飯田 智紀 氏
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飯田 智紀 氏
ベネッセコーポレーション 大学・社会人事業開発部 Udemy事業責任者(写真提供:Udemy)

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