今回から『人事の企み』の出版記念特別対談の模様をお送りする。第1回のゲストは海老原さんのリクルート時代の盟友で人事コンサルタントの曽和利光氏。「人事はミーハーで流行りモノ好き」という海老原さんの主張の真偽を検証する(写真:三宅弘晃)。

中野宗彦氏(以下、中野):海老原さんの新著『人事の企み』の出版記念イベント、これから第二部の座談会を開始します(第一部は海老原氏の講演)。ゲストは人材研究所代表取締役社長の曽和利光さんです。曽和さんは、灘高校、京都大学教育学部教育心理学科を経て、リクルートに入り、人事に配属されました。それから、ライフネット生命などで採用や人事の責任者を務めてきました。2011年に人事・採用コンサルティングや教育研修などを手掛ける人材研究所を設立、多くの組織に向け、人事や採用についてのコンサルティングや研修を行っています。

曽和利光氏(以下、曽和):よろしくお願いします。

中野:海老原さんは曽和さんとどのような関係なんですか。

海老原嗣生氏(以下、海老原):私がリクルートワークス研究所に所属し、ワークスという人事雑誌の編集長をやっていたとき、曽和さんは同じ所内で、人事コンサルティング部隊の立ち上げを担当する隣のチームにいたんです。曽和さんは20代半ばだったと思うけど、辛抱強い男でしたね、けっこう、大変なチームだったから(笑)。

中野:曽和さんの海老原さんの印象はいかがでしたでしょうか。

曽和:今も昔も変わらないんですが、何かに対していつも熱く声を張り上げているイメージが(笑)。でも、二人で話すと冷静で、こちらの話もよく聞いてくれる。そのギャップが印象に残っています。

曽和 利光 氏
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曽和 利光 氏
人材研究所代表取締役社長。愛知県豊田市出身。灘高等学校を経て1990年に京都大学教育学部に入学、1995年に同学部教育心理学科を卒業。リクルートで人事採用部門を担当、最終的にはゼネラルマネージャーとして活動したのち、オープンハウス、ライフネット生命保険株式会社など多種の業界で人事を担当。「組織」や「人事」と「心理学」をクロスさせた独特の手法が特徴とされる。2011年から現職。企業の人事部(採用する側)への指南を行うと同時に、これまで2万人を越える就職希望者の面接を行った経験から、新卒および中途採用の就職活動者(採用される側)への活動指南を各種メディアのコラムなどで展開する

中野:なんとなく、よく分かります。お二人の間柄が分かったところで、ここからは、第一部で概略を紹介した、識者が考える人事の問題点について、お二人からコメントをいただきます。

海老原: いや、企業の現実については、一番詳しいのは中野さんだから、ここは司会の役に留まらず、どんどん私見を吐露してほしいところです。

中野 宗彦 氏 
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中野 宗彦 氏 
ノイエ・ジール代表取締役社長 リクルートで総合企画部マネジャー、神戸支社長を歴任し、大手から中堅、ベンチャーまで日系・外資系企業を幅広く担当。その後、リクルートエグゼクティブエージェントで経営層のエグゼクティブサーチを経て、日系上場メーカーの人事制度企画に従事。現在は人事制度・採用コンサルティング会社を起業(現職)