ジョブ型雇用の導入には、様々な壁がある。導入を検討している企業にとって課題となるのが、既存の組織や人事制度をどのように改革するかということだ。いち早くジョブ型に移行した大手企業は、この壁をどのように乗り越えたのか。

(写真:123RF)

 ジョブ型を導入するには、組織や制度改革など企業のマネジメントシステム全体の見直しが必要になる。「箱」を変えるだけでなく、経営陣から従業員にいたるまでマインドセットの改革も求められるだろう。メンバーシップ型雇用ともいわれる従来型の仕組みを運用してきた企業にとって、ジョブ型雇用への転換は一朝一夕に実現できるものではない。

 ジョブ型に移行する際、何が課題になるのか。組織や制度の改革に必ず伴うのが「社内の抵抗勢力」だ。ジョブ型の導入は給与などの報酬の増減やポジションの変更をもたらす。中には、既得権を失う人々による心理的な抵抗が生まれることは否めない。

 組織や制度をどのように変えるのかという議論も必要になる。完全なジョブ型に移行すべきか、メンバーシップ型とジョブ型の「いいところ取り」をした形にすべきか。その企業が将来的に成長し価値を向上するために、どのような経営/人材戦略を推進していくのかを決めたうえで、検討する必要がある。

 いち早くジョブ型導入に成功した日立製作所と資生堂を例に、導入までの経緯を見てみよう。