チームワークを尊び、組織の成果を大切にする――。多くの日本企業が持っていたこんな価値観が変わろうとしている。それは「個」の重視だ。このような人事マネジメントを実現するためには何が求められるのか。「CHO Summit 2021 Autumn」(2021年9月28日にオンライン開催)において、ベネッセコーポレーションの飯田智紀氏が、リスキルの最新トレンドを解説するともに、同社のオンライン学習ツールを紹介した。(取材・文=翁長 潤、撮影=川田 雅宏)
飯田 智紀 氏
飯田 智紀 氏
ベネッセコーポレーション 大学・社会人事業開発部 Udemy事業責任者

働く人の半分は2025年までにリスキルが必要に

 コロナ禍でリモートワークが拡大し、業務のデジタル化や自動化が加速している。その影響を受けて、大人の学びの環境が変化しつつある。飯田氏は「特に『学びに向かうマインド』と『求められる人材要件』が大きく変化した。従来の人材育成では当たり前だった『70:20:10の法則』にも変化が見られる」と語る。「70:20:10の法則」とは、リーダーが成長する要素の比率として「業務経験」が70%、「薫陶(上司からの学び)」が20%、「研修や学習」が10%を占めるとされているものだ。

 飯田氏は、世界経済フォーラムが発行している「Future of Jobs Report 2020」の「働く人の半分は2025年までにリスキルが必要」という報告を引き合いに出して、「今あるスキルを伸ばすスキルアップから、今あるスキルを磨き続けながら新しいスキルを習得するリスキルを重視するマインドセットへの変化が起きている」と指摘する。

 ただし、多くの企業がデジタル化に本腰を入れ始めた現在、これは容易なことではない。「DX時代にはまずリテラシーがなければ、そもそも業務経験が積みにくい。人を育てなければ、事業が育たないビジネス環境に変化しているため、インプットの重要性が増した」(飯田氏)という。