在宅ワークの勤怠管理とプライバシー保護を両立する仕組みは

──コミュニケーションの課題は多くの企業が抱えている。どのような対策が考えられるか。

河原:この問題を解決するために開発したのが、テレワーク・サポート・ツールの「ZaiTark(ザイターク)」だ。勤務状況の監視とプライバシー保護を両立する絶妙なバランスを追求した結果、在宅ワーク中の従業員のデスクトップ画面、または本人の静止画像を30秒ごとにキャプチャーして上司や同僚と共有する仕組みに落ち着いた。必要に応じて画像にボカシを入れることもできる。

 「ZaiTark」は2019年から当社が実際に利用しながら開発を進め、完成度を高めてきた。30秒に1度静止画を送るだけなので、ネットワーク負荷が小さい。全員でテレビ会議することもできるし、特定の相手とこっそり会話する機能もある。10ユーザーまでは無償で利用できる。

──ZaiTarkでテレワークの実効性を高めたことで、どのような効果が得られているか。

河原:在宅中でもメンバーがお互いの存在を認識できる。部屋の様子が映ることはなく、プレゼンスは分かるが具体的に何をしているかまでは分からないのでプライバシーは保護される。オフィスに近い状況を創出できた。

 テレワークによる交通費削減と生産性向上で、年間6000万円ほどのコストを削減できた。今年7月、全社員に一律5万円を「テレワーク協力感謝一時金」として支給した。また当社の取り組みが評価され、日本テレワーク協会の「テレワーク推進賞優秀賞」や東京都産業労働局の「TOKYOテレワークアワード推進賞」など、5つの賞をいただいた。

──今後はどのような取り組みをしていく計画か。

河原:テレワークで場所の縛りは減ったが、時間の縛りはまだ残っている。今後は、1日のうち短時間だけ働ける人をうまく活用できる仕組みや、言葉の壁を越えて海外の労働力を在宅派遣できるような仕組みを検討していく。産休や育休などで長期のブランクを抱えた人が、仕事に復帰しやすくなる仕組み作りにも大きな可能性を感じている。