女性25人を副支店長、副部長に抜てき

 人財育成(同社では「人材」を「人財」と表記する)で最も注力しているのはデジタルリテラシーの底上げだ。2019年にデジタル人財認定制度を策定した。上位のレベルは、最新デジタル技術やビックデータを活用したビジネスの展開、高度なデータ分析を用いたビジネスを実践できる人財である。その人数を飛躍的に増やすことは難しいが、お客様や代理店とのインターフェースがデジタルに移行する中、実務をデジタル化できる人財を増やしていかなくてはならない。また、リテラシー教育と並行して、「データを仕事に活用する」という意識浸透も図っている。デジタルに関するさまざまな教育プログラムは任意受講としており、自律的に学ぶ仕組みとしている。

 もう一つ力を入れているのが、管理職のマネジメントスキルの向上だ。現在400超ある営業課や支社の統合を進めており、組織が大型化して管轄する代理店やディーラーの数が増え、1組織あたりの売り上げも大きくなっている。一人の管理職が持つ権限が拡大し、部下の数も増える中、これまで以上にマネジメント能力を高めていく必要がある。1on1の面談を今は最低でも年2回実施しているが、部下一人ひとりとしっかり話し込んで将来のキャリアプランの相談に乗っていくには、管理職が聞く力を持ち、希望に応じてキャリアが提案できる「引き出し」を持っていなくてはいけない。マネジメント研修は今もやっているが、内容を進化させ、多様性のあるものにしていく。

 女性管理職も増やす。今年度から「副支店長」「副部長」というポストを新設し、時限的な取り組みとして、女性限定で登用を始めた。支店は複数の支社を統括するので、支店長、部長はいずれも役員などへのキャリアパスにつながる。女性社員のロールモデルを作るうえでも重要だが、一足飛びに抜てきするのは難しいので、2022年4月から始まる新中期経営計画での限定施策として、副支店長、副部長というポジションを作り、女性社員を登用している。支店長の仕事を近くで見て、決裁など一部の業務を自分で経験する。

 既に2021年10月までに40代後半から50代前半の人財を中心に25人を抜てきし、上司である部長、支店長にはしっかり教育するように要請している。男性社員には、なぜダイバーシティ推進が重要なのかを腹落ちしてもらうために、意思決定層の多様化を図るという目的をしっかり説明している。