企業の人事最高責任者によるコミュニティ「Human Capital Committee」の幹事会員に聞く「2022年、人事の大問題」。最終回の回答者は味の素の野坂千秋 取締役 執行役専務 ダイバーシティ・人財担当。コロナ前から働き方改革を推進し、管理職へのジョブ型も導入済の人事先進企業は、中期経営ビジョンに連動させた人材開発に取り組み、人的資本に関する経営指標も公開している。2022年に向けた人事の大きな4つの問題について、「〇=予定がある、具体的に検討中」「△=検討中だが課題がある」「×=予定なし」の3択で答えてもらった。
野坂 千秋(のさか・ちあき)
味の素 取締役 執行役専務 ダイバーシティ・人財担当
野坂 千秋(のさか・ちあき) 1983年入社、2005年上海味の素食品研究開発センター 総経理、2009年食品技術開発センター長を経て、2011年執行役員就任。2015年常務執行役員就任、食品事業本部食品研究所長、上海味の素食品研究開発センター社董事長。2019年取締役常務執行役員(ダイバーシティ・人財担当)に就任、2021年6月より現職。
Q1:2022年までに人材教育で新たな施策を実施する予定があるか?

【〇】2030年までの中期経営ビジョン「食と健康の課題解決企業」に沿って、2021年に栄養とデジタルに関する教育をスタートさせた。味の素グループ全体で栄養を学ぶ研修コンテンツを独自に開発するとともに「ビジネスDX(デジタル・トランスフォーメーション)人財育成プログラム」は当初の計画を前倒しで進め、すでに約800人が認定を取得した。2022年は環境に関する教育プログラムも開始予定。

Q2:2022年までにシニア社員活用のための制度変更を実施する予定があるか?

【△】2021年から70歳までの継続雇用を可能とする制度をトライアル導入。一般職の人事制度との連動も必要なことから、2023年までに正式な制度として導入予定。

Q3:2022年までにジョブ型雇用を導入する予定があるか?

【〇】2016年に全基幹職(管理職、約1500人)を対象にしたジョブ型の人事制度を導入した。特に人事異動の調整で混乱することも多かったが、5年経過し「ポジションマネジメント」の概念が定着しつつある。

Q4:人的資本に関する経営指標を定めているか?

【〇】2019年から中期経営計画のKPI(重要業績評価指標)に「従業員エンゲージメントスコア」を盛り込んでいる。人財投資については、2020年から3カ年で、2017~2019年の約2.5倍を計画。