人材獲得競争はますます激しくなり、効率的な採用は難しくなっている。求職者と企業の接点をどのように設計していくか。今回はNECの中村亮一氏が注目するスタートアップのBloomが運営する「Bloomキャリア登録」を取り上げる。さらに、この取材記事を読んで、そのコンセプトやソリューションをどのように見るか。HRテクノロジーに詳しい、一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会副代表理事の加藤茂博氏からコメントを寄せてもらった。

 「転職するなら大手企業へ」。そう考える求職者は多いだろう。転職情報を提供するdoda(デューダ、運営:パーソルキャリア)の転職人気企業ランキングを見ても、1位はトヨタ自動車、2位がグーグル、3位にソニーとグローバルに活躍する有名企業が並ぶ。上位は大手企業の独壇場だ。それだけに求職者側からすると、大手企業には多くの希望者が殺到していて高根の花だと考えがちだ。

 ところが、実際には大手企業も人材不足に悩んでいるという。大手企業に特化した転職支援サービス「Bloomキャリア登録」を運営するBloom(ブルーム) 代表取締役の平原俊幸氏は、次のように語る。

 「大手企業は、採用を希望する人材の数が多く、職種も多岐にわたります。そのため、応募者の母数が不足するだけでなく、求める人材にアプローチする方法が不足しています」

 求職者と大手企業の間に生じているミスマッチを解消し、効率的により良い出会いを届けたい―。そんな思いで創られたのがBloomキャリア登録である。

大手企業の採用ページに「間借り」

 Bloomキャリア登録を一言で説明すると、求職者の視点では「魅力的な複数の大手企業に対して簡単にキャリア情報の登録ができ、経験を活かせる募集ポジションの案内が届くサービス」ということになる。大手に興味はあるけれど、情報が得られていない求職者が主なターゲットだ。Bloomの一つの特徴は、大手企業の採用ページにサービスへの入り口を「間借り」するという独特の戦略を採っている点である。

平原俊幸氏
平原俊幸氏
Bloom 代表取締役 リクルートエイブリック(現リクルート)に2003年に新卒入社し、15年間勤務。転職エージェント事業における法人営業や人事企画業務、社外出向先での中途採用担当業務などを経験。起業家・エンジニア養成学校「ジーズアカデミー」Dev.コースを2017年に卒業。2018年4月にBloomを創業。(撮影:川田雅宏)

 平原氏は「例えばトヨタ自動車の採用ページにアクセスしてください。様々な情報や職種検索などのボタンに並んで『キャリア登録』というボタンがあります。これを押すとBloomの登録ページに遷移し、求職者の情報をいくつか入力すると登録が完了します」と説明する。トヨタ自動車に限らず、住友商事やNTTドコモの採用ページにも「キャリア登録」のボタンがあるように、現時点で約40社の大手企業が採用している。

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