経営と組織改革における新しいコンセプトを打ち出すHRスタートアップが増えている。働く人をひきつける組織を創り、組織と個人の成長をシンクロさせていくにはどうしたらよいか。採用、育成、配置、コミュニケーション改革─次々にリリースされる新しいソリューションで、人事業界の若手キーパーソンが「自分ごと」として注目するHRスタートアップを編集部が取材していく。連載2回目は日産自動車の影山和弘氏が注目するエクサウィザーズだ。さらにこの取材記事を読んで、同社のコンセプトやソリューションをどのように見るか。人事業界のインフルエンサーでもある、一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会の林 幸弘氏、NECの中村亮一氏からコメントを寄せてもらった。

 AI(人工知能)技術を活用し、企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)の実現を支援しているエクサウィザーズ。2021年12月に東証マザーズに上場したことでも注目されたスタートアップだが、HR領域でもソリューションを提供している。同社で執行役員を務める前川知也氏は、「エクサウィザーズのビジョンは、AIを用いた社会課題の解決です。その課題の中の1つにHR領域があります」と語る。

「エクサウィザーズでは少子高齢化が重要な社会課題だと認識しています。少子化により生産年齢人口は減っていて、労働世代が背負う負担は大きく増えていきます。今後の企業および日本の継続的な発展に向け、人と組織の生産性を高めることを課題として、HR領域のソリューションに取り組んでいます」(前川氏)。

前川 知也 氏
前川 知也 氏
エクサウィザーズ 執行役員 京都大学法学部卒業。在学中にC2CのWebサービス事業を起業しCEOを務める。 事業譲渡の後、2014年4月から約4年間ボストン・コンサルティング・グループに在籍。2018年5月エクサウィザーズに入社。2018年10月より部長、2021年4月に執行役員に就任。エクサウィザーズでは一貫してDX/HR領域の事業責任を担う。(写真提供:エクサウィザーズ)

専門知識なしに数分でAI予測を実現

 同社が提供するexaBase 予測・分析は、用意したデータを元にAIが予測する。その対象は、人事、製造、研究開発、営業、マーケティング、お客様の声など多岐にわたる。HR領域では、人材のより良い配置や、組織への相性や入社後の満足度などを、データに基づいて予測、分析できる。前川氏は、「熟練の人事担当者が職人技でやってきたことを、AIによって精度の高い分析ができるようになりました」と話す。

 AIというと難しいアルゴリズムやモデルと格闘するイメージがあるが、exaBase 予測・分析ではAI技術者やデータサイエンティストのような専門知識は不要だ。データを用意すれば、直感的な操作で簡単に予測結果が得られる。具体的には「予測分析のためのAIモデルは、個社ごとに作成します。その作業が、ExcelまたはCSV形式のデータをアップロードして2クリックほど、時間にして数分で完了します。自社と採用候補者の方の相性を予測するモデル、社員の方のコンディションを予測するモデルなどを簡単に作成でき、高い精度が出ています」(前川氏)という具合だ。

 exaBase 予測・分析を数年にわたり活用している日産自動車人事本部グローバルSWP/C&B部の影山和弘氏は、「簡便でシンプルな構造で、使いやすいと感じています」と指摘する。日産自動車では、採用活動にもexaBase 予測・分析を活用して成果を上げている。「特に、大量の応募者がある新卒採用では、同じフォーマットに情報を記載するので、AIで分析しやすいことも成果が出ているポイントです」(前川氏)。

この記事は登録会員限定(無料)です。

登録会員お申し込み会員登録